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トラパネの床構面への挑戦!
杉幅ハギパネル。
杉の厚さ30㎜の小幅板の端口に、イソシアネート系(ノンホルマリン)の接着剤を塗り、高性能プレスで圧着します。
よく接着面が剥がれてきませんか?と質問がありますが、99.99%そんなことはありません。
木材の細胞による結合により、イソシアネートの接着性のほうが強いのです。

かぎりなく無垢に近い杉パネルを、今から10年前に大分県上津江村の㈱トライウッドで試作されて以来、多くの住まい手、工務店、設計事務所から注文があります。
この杉パネル、トライウッドパネルといいます。

関西人は阪神タイガースびいきもあり、言葉を省略して言う癖もあり、この「トラパネ」は人気者です。
このパネル、厚み18㎜、21㎜、30㎜とあり、長さ1m×4mが最大です。
最初は、机・ベッド・本棚と造作用として利用されていましたが、化粧構造用として耐力壁2.5倍の認定も取得しています。
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今回チャレンジしたのは、2階の床としてトラパネを貼りつけて、火打ち梁などを使用しなくても頑丈な床になることを証明する実験です。
2階の床の中に斜めに組み込んである材を火打ち梁といい、昔からよく使用されてきましたが、どれぐらい強いのかはあまり理解されていません。
ちなみに床倍率3倍を取っている24㎜の合板の強さの、たった1/10の強度しかありません。
四隅を留め付けても床全体の合成はあまり期待できないのです。

今回の「トラパネ」、大梁・小梁の上に長さ90㎜の釘で15cm間隔に打ち付けて実験すると、床倍率4倍ほど出ました。これに低減率を加えて3倍が目安となります。

2m×3mの水平板に大梁・小梁をまわし、「トラパネ」(ア)30を90㎜の釘で15cmピッチに打ち付けます。
四周を固定し、端から油圧ジャッキでゆっくりと押し引きし、9回ほど強さを変えて実験していきます。
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最大の加力約3tの荷重が床の一方向から加力すると、頑丈な梁でさえ、右側が曲がってしまっています。
しかしこの床パネル、とても強いことが証明されました。
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詳細はこの釘の引抜力のすごさです。
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Jパネル(杉三層パネル)も私達が開発しましたが、一層のムク板の「トラパネ」、しっかりと「木の家」の限りなく無垢に近い天井板の利用で、日本の森のめぐみの利用を図ります。
by MsARCH2 | 2008-06-04 17:57 | その他
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