和歌山 田辺ツアー
11月6・7日秋晴れのもと、
MOKスクール恒例の秋のフィールドツアーへ行ってきました。
総勢20名程で、和歌山は田辺へ向かいます。

一日目は、山長商店さんの植林地→貯木場→工場と、木の動きに沿っての見学です。
山長商店さんの山は紀伊半島南部に約5000haも占めています。
その山の木を植林から育成、伐採、製材、乾燥、仕上・強度検査、選別、プレカットに至るまでの全ての工程を一貫して提供しているのです。

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全ての根本となる山の管理をされているのが松本さん。
松本さんの説明は、パネルや材を使って丁寧で非常に分かりやすくスクール生に好評でした。
95%以上が個人所有であるという和歌山の山の特徴によって良材が生まれた、
と松本さんはおっしゃっていました。
山持ちさんが互いに切磋琢磨した結果なのでしょうか。

b0111223_18581775.jpgもちろん、近くには奈良吉野にも良材があります。
ただ、それぞれの特徴が異なるのです。
樽丸林業を起点に発達してきた奈良の吉野では
密林(10,000本/ha)による緻密な年輪を持つ材が、
一方の田辺では建築用材としての材が必要とされました。
そのため、田辺の材は(5,500本/ha)芯に近い部分では少し年輪の間隔が開いて、外側では密な年輪となるのです。
目的に応じた結果が各地の材の特徴を生んでいるのです。


b0111223_18592665.jpgさて、今回の田辺の山の中でも〝住み分け〟が行われています。
「適地適木(てきちてきぼく)」
これは木々の育成のしやすさによって、
例えば杉は水分の多い山の裾や谷に、一方山の上方には桧を植えるという
山の人たちが基本としている言葉です。
山側の「適地適木」があってはじめて
工務店・設計者の「適材適所」が成立するのです。


b0111223_1903141.jpg木には〝腹〟と〝背〟があるのをご存知でしょうか。
斜面に立つ木は、光を求めて開けた方向(写真右側)に枝を伸ばす傾向があります。
そして地面と立木(足元)との関係に注目すると、鉛直方向まっすぐではなく、
少し膨らんでから上へと伸びているのが分かります。
これは、材としてまっすぐっでないために良材ではない、とされるかもしれないですが全くの逆なのです。
横架材(梁)を考えた時に、腹の部分を下、背の部分を上にすることで粘り強くなります。
必然的に室内から梁を見上げた時に節の少ない面が腹となって、
力学的にも美学的にも理にかなっているのです!


b0111223_191740.jpg青空のもと、木々に囲まれてお昼を食べた後は貯木場へ向かいます。


b0111223_1915471.jpgここでは元玉と、2番玉以降のものに分けられて長さごとに管理されています。
見学している間にも次々と丸太が運ばれてきます。
年間30,000㎥の原木の出入りが行われているのです。
さすが年間700~800棟の物件に対応されている山長さんです!。


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山から運ばれてきて、
トラックの荷台に積まれた丸太を土場に〝置く〟作業を見ることができました。
まず丸太を〝置く〟スペース横にトラックをつけます。
そしてチェーンやつっかえを外して
運転手さんが反対側からチェーンを引くと、
トラックを傾けて丸太は一気に定位置に納まりました。
迫力のある、なんとも原始的な手法に圧倒されながら次の目的地へ向かいます。


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次は山長商店の榎本さん(常務取締役)に説明していただきながらの工場見学です。
最新のシステムが稼働しています。

b0111223_1935581.jpgまずは、減圧式乾燥機。
この乾燥機では機内の圧力を最大0.2気圧まで減圧することができるそうです。
減圧することで水の沸点を下げて従来よりも低い温度(70数℃)での乾燥か可能になります。
これにより、①表面・内部割れの減少②白味部分が茶色くならない、といった利点があるのです。
この減圧乾燥機1機で50㎥(実際には桟を入れる為45㎥程度、柱で900本くらい)の材が一度に乾燥可能です。


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次は、徹底された品質管理です。
ここではヤング係数と含水率を測定しています。
基準値に満たない材はレーンから外されます。
リアルタイムに測定結果が機械表示され、材自体に印字されます。
写真の材はプレカットも済み梱包されて納品待ちのものですが、
「SD20 E90以上」の数字が印字されているのが分かります。
含水率20%、ヤング係数90以上といった情報が全ての材に対して表記されます。
ちなみに写真右手に見えている水色と白色のテープは、物件ごとに組み合わせを変えて、積み下ろしの際に認識しやすくするために全ての梱包に付けられています。
さて、ここで測定された結果は選別の工程で重要となります。
例えば、ヤング係数90と110の材があったとします。
基準値を90以上としているなら、この2つの材は対等のものとして扱うことが可能ですが、山長商店さんでは違います。
より荷重のかかる1階柱にヤング係数110の材を、屋根荷重のみで比較的荷重の少ない2階柱にはヤング係数90の材を選別するのです。
簡単にはまねできない細やかな対応です!


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一日目の夜には山長商店の榎本社長、榎本常務、社員さんと和歌山の建築家 中村伸吾さんを交えての交流会が行われました。
日中の見学の場とはまた異なった交流・意見交換ができ有意義なものとなりました。

日が変わって2日目は、
榎本社長宅(設計:渡辺明氏)を社長自ら説明していただき見学させていただきました。
(個人住宅のため写真掲載は控えさせていただきます。)

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その後は語り部さんの説明を聞きながら、短距離ではありましたが熊野古道を堪能し、熊野本宮大社へ参拝、熊野本宮館の見学を行いました。
ここでも榎本社長が展示の地図を前に木材のルートを説明下さいました。

榎本社長、榎本常務はじめ、社員の方々、松本さんのご協力のもと非常に有意義な2日間となりました。
ありがとうございました。


今年度のMOKスークールは12月の講義を残すのみとなりましたが、
来年度のフィールドツアーも現在計画中です。
講義では伝わりきらないものがフィールドツアーにはあります。
みなさんにも是非山の声を、工場の声を、お聞きいただきたと思います。

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# by MsARCH2 | 2010-11-09 08:09 | MOKスクール
和泉の家 木配り ~松阪・コウヨウへ~
過ごしやすい秋の日に、プレカットの打ち合わせと木配りを行いに三重県松阪へ行きました。
9月に地鎮祭を行った和泉の家の打合せです。
Msのプレカットと言えば㈱コウヨウさん。プレカット工場と言っても程度の差は様々です。
Msの住宅はJパネルを柱間に落とし込むため、柱、梁にしゃくり(溝)を入れるなど、一般的な住宅より手間がかかります。
コウヨウさんは三澤も太鼓判を押すレベルの高いプレカット工場。その辺りも難なくこなしてくれます。(スタッフの方々がとても優秀なのです!)


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b0111223_16321713.jpgまた、設備面もすごい!
ドイツのHundegger社製のプレカットマシンを置いています。
外国製の機械はカラーリングもオシャレです。
見た目でけでなく中身もすごいこのマシン。
最大加工寸法が長さ12m、幅300×高さ450!
3次元の加工機能も組み込まれているので登り梁×登り梁など複雑な加工も可能です。
このマシン、日本で4、5台しかないそうです。


b0111223_16353541.jpg午前中、みっちり打合せを行い、お昼からは木配り。
智頭のサカモトさんから届けられた構造材は夏に検品を行った時から
修正挽きを行い、モルダーを掛けられきれいな木肌が現れています。


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期待通り!のきれいな材です。
この日は三重県の製材関係の方々が何人か現場にいらしたのですが、
みなさん、智頭杉の美しさに感心しきりでした!


木配りはMs日記でもお馴染みのプロセス。
番付けとも言いますが、どの材をどこに使うかを決めていく作業です。
三澤と棟梁が相談しながら、設計者の目、大工職の目、両方を加味しながら決断していきます。
簡単なようですが、経験と集中力のいる作業。これはベテランの職人でないとできないのです。
三澤が手に持っている板図は、材のサイズごとに色分けしている伏図です。
番付けが終わるとチョークで塗りつぶしていき、全ての材に番付けを行います。

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この日は三澤康彦チームと別に三澤文子チームもコウヨウさんへお邪魔しました。
和泉の家より少し遅れて着工した池田市の住まいの材料検査です。
こちらは柱・垂木・棟梁を桧、梁・桁を杉で構成するダイナミックな住宅。
材は三重の速水林業さんでお願いしています。こちらも完成が楽しみです。

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# by MsARCH2 | 2010-10-21 19:00 | 新築
住宅医への道 -鹿児島K邸詳細調査-
10月の始めに鹿児島にあるK邸に詳細調査に行ってきました。鹿児島の建築家、自然木の村田さんからの依頼です。私は屋久島から参加しました。
大阪からスタッフ含め5人、岐阜アカデミーから3人の大所帯で鹿児島に向かいました。岐阜アカデミーからは何と!車で鹿児島まで向かいました。調査機器が多いため車での移動となったのですが、凄いフットワークです。3人とも御苦労さまでした。
調査するK邸は鹿児島市内から高速道路を使って40分ほどの姶良市蒲生町にあります。この地域は武家屋敷群と蒲生八幡宮の日本一の大クスが有名です。K邸も蒲生八幡宮からほど近い場所にあります。K邸は築96年の建物で、広い敷地内(300坪)には屋敷門、母屋、馬屋、蔵、畑があります。今回の調査は母屋だけになります。



b0111223_13442910.jpg蒲生八幡宮の大クスです。その大きさに圧倒されます。樹齢1500年。調査の無事を祈り一人参拝しました。
















b0111223_13462444.jpgb0111223_13464248.jpg調査する母屋部分です。南側に開口部が並ぶ昔ながらの民家です。建具のデザインが凝っています。
















b0111223_1451758.jpgb0111223_1453074.jpgさっそく調査準備です。大量の調査道具を運びいれます。この日は雨の予報でしたが、もちろん晴れました。私は晴れ男です。
右写真の真ん中の方が施主であるKさん現在離島で教師をされていますが来年鹿児島に戻ってこられます。そのため空き家になっているK邸を改修することとなりました。左の方が今回の調査主担当の自然木の村田さんです。格好から分かるようにやる気満々です。
私はスタッフの中島君と小屋裏調査となりました。












b0111223_1434430.jpgb0111223_1435890.jpgb0111223_1464194.jpgb0111223_147118.jpgb0111223_147164.jpg














小屋裏です。やはり長年のホコリとネズミのフンで酷い状態です。(これが普通ですが・・・)太さの違う梁や曲がっている材料を上手く使い小屋が組まれています。約100年前の建物ですが、しっかりとした造りです。もちろん金物も使用されていません。大工技術の高さを感じます。












b0111223_14101832.jpg含水率もチェックします。湿気がたまり、含水率の高い材は腐朽等の被害が出やすいです。今回の小屋裏は空気も乾いており、含水率も良好のようです。












b0111223_14124250.jpg私が小屋裏で悪戦苦闘している下の部屋ではお施主さんに聞き取り調査です。家の歴史や、改修についての希望など、細かく聞き取りしていきます。












b0111223_14122897.jpg床下空間です。床下空間は高く、十分に人が入れます。湿気も少なく比較的良好な空間のようです。もちろん詳細調査なので床下も調べます。
















b0111223_14133696.jpg床下姉妹のNさんとKさん、マスクをして完全防備で床下空間を駆け回っていました。すばらしいフットワークです。これはなかなか真似はできません。

調査も無事終了しました。帰りはたまたま近くにあった温泉へ行って調査の汚れを落としました。この調査を踏まえ耐震性能、温熱環境など含めた調査報告書と改修プランを作成していきます。みなさんおつかれさまでした。

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# by MsARCH2 | 2010-10-20 13:45
屋久島、鹿児島へ行ってきました
屋久島(メンテナンス)、鹿児島(民家調査)へ行ってきました。

1年半ぶりの島です。懐かしい香りです。
空気がおいしい。空が青い!
2009年4月のMs日記(「屋久島の家 完成!」)でもお知らせしましたが、
屋久島の大自然は驚異です。
関西だったらこの自然の風景をただ見て、きれいというだけですが、ここは島です。
自然は人間の存在よりとてつもなく大きいのです。
ここにくると自然は神だと、畏敬の念を持ちます。

b0111223_19301527.jpgb0111223_823166.jpgこの地形を読み取り、
高床にもして、屋根も大きく張り出し、木の壁を守ります。














b0111223_19303149.jpgここがピロティの上階にあがる階段です。
普通の塗料ではすぐに剥がれてしまうので、
これはオスモの強靭な外部用の塗料を塗ってあります。













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床下空間は、住まい手からとても感謝されました。
ここはただ単に、安楽の住む空間ではありません。
屋久島では都会の便利さはないのです。
大概のことは自分達でやり遂げなければいけません。
停電なんて日常です。
この前なんか10時間程電気がこなかった、なんて普通に言っています。
都会では10分電気が止まると、大騒ぎです。


b0111223_19312225.jpgこれってパパイヤなのです。
ほんの1年前に植えたものですが、こんなに大成長しています。














b0111223_19314262.jpg今回の大工職を紹介してくれた堀部安嗣さんの
新しいお店が国道沿いに出来ていました。

やはりすごいですね!!
台風にも負けない、白アリにも負けない、の表現がいっぱいあります。








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この、小端立てに石を積むのがとてもとても大変だったそうです。
見れば分かります。
右の写真が屋久島の火山岩を使用したディティールです。



今は、大阪伊丹から屋久島への直行便があります。
屋久島滞在約6時間。
メンテナンスが終わり、
Msの三澤ですから尾ノ間温泉にしっかり浸かった後は
鹿児島までひとっ飛び、約30分です。

次回は鹿児島の民家調査です。

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# by MsARCH2 | 2010-10-05 19:38 | メンテナンス
藤沢の家・竣工!!
8月の半ばに藤沢の家が完成しました。
夏は大賑わいの湘南江ノ島。
そこから徒歩10分の住宅街に立つ住まいです。
住まい手のご実家を解体し、Msの木の住まいを新たに建てました。

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白い外壁が湘南の街並みに映えます。
今回も耐震性、断熱性、メンテナンス性を備えた長期優良住宅です。













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建替え前の家です。
両隣の家と同じく、北側の道路に迫って建っていました。
道路近くまで住まいが接近していて、圧迫感があったと住まい手は述べていました。












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今回の計画では、建物を南北に長い形状として、
敷地の東側を庭として大きく開けています。
道路側の圧迫感もずいぶん和らぎました。
今までの道路見付を半分にして、東側は広く植栽スペースとしました。
元々風致地区という道路境界からの壁面後退の規定や高さ制限のある地域ですが、道路側の建物の高さはかなり低く抑えています。
とても周辺環境に優しい建築です。















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屋根のある駐車場からそのまま玄関にアクセスできます。
玄関建具はアカマツの板で造った引戸になっています。
Msの玄関はほとんどが引戸です。
人を招き入れる時、玄関に入る時の動作がとても楽ちんなのです。



















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1階は個室と収納になっています。
床と天井はJパネル、壁は珪藻土クロスを貼っています。
2階へ上がる階段、クルミの板で造っています。


















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この家のメイン、LDKは2階にあります。
住宅地なので隣地は全て家が建っていますが、
LDKの位置を南に寄せることによって、
東側のお隣さんのお庭がリビングの目の前になります。
2階LDKを囲うように、広くウッドデッキを設けています。
広いデッキはメンテナンスが大変ですので、
耐久性の高いクマルという木材で作っています。









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2階デッキから見ても、遠くまで視線が通り、
住宅地に住みながらにして、開放的な住まいとなっています。
さながら空中デッキです。
お隣の緑がうれしいです。














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リズムよく並んだ柱、梁がとてもきれいです。
和歌山県の廣本林業さんの杉材です。













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ダイニングテーブルもMsで製作した、タモ材のテーブルです。





















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住まい手はご夫婦とお嬢さんの3人家族。
工事中も一家で木材の塗装をしたり、
お引越し後もパネル材で家具を作ったりと、
積極的に住まいづくりに参加いただきました。
とても愛着のある住まいになったと思います。
これから涼しくなりますので、植栽などの外構工事を行います。
きれいに完了しましたら見学会をさせていただく予定です。
ご期待下さい。

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# by MsARCH2 | 2010-09-11 18:24 | 長期優良住宅
和泉の家着工!
9月に入り、朝はほんの少し涼しい風を感じるようになりました。
そんな9月の朝、和泉市で1軒地鎮祭が行われました。
敷地はURが宅地造成したエリア。
山を切り開いた地区なので廻りはどこかのどかな雰囲気です。

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住まい手であるIさんご家族は小さな男の子が2人の4人家族。
ちびちゃんたちも、土地の神様にご挨拶します。
ちょっと無理やりお父さんに頭を押さえつけられているようにも見えますが・・・(笑)

和泉の家は1階にLDKを配し、その上部に大きく吹き抜けを設けたプラン。
全体を片流れの大屋根が覆い、2階建てですが、平屋感覚の住まいです。
施工はお馴染みコアー建築工房さん。来春竣工予定です。
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そして、この地鎮祭の2週間前。
構造材をお願いした鳥取県智頭町のサカモトさんをIさんと訪問しました。

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サカモトさんの智頭杉は以前豊中の家でも使わせて頂き、
Iさんは竣工見学会で構造材とMsのデザインを気に入られて依頼されました。
Msの木材は、
阪口製材(奈良・吉野)
森昭木材(高知)
山長商店(和歌山)
大澤材木(新潟)
サカモト(鳥取県智頭町)
トライウッド(大分)
TSドライ(静岡)
と、日本列島こだわりの製材所でお願いしています。
どの製材所も熱い材木屋さんです!


和泉の家は今年度のMsの長期優良住宅先導事業に該当します。
今年の先導事業は去年の提案より国産材利用とCO2削減に重点を置いた提案となります。
新しく加わった用件に「住まい手の林産地見学」があり、製材所の見学が行われました。

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どの材も美しいものを用意して頂き、サカモトさんの心意気を感じます。
乾燥具合もバッチリです!

製材所に足を運ぶことのメリットは設計者、製材側両方にとってとても大きいです。
電話やFAX・メールではやりとりできないニュアンスが相手の顔を見て、木材を見て両方に伝わりますから。

b0111223_16251287.jpg例えば・・・
写真はとてもいい材なのですが、
一面が虫に喰われているので、商品として出しにくい材です。
(もちろん性能上問題ありません!)
ちょうど上手に外壁の中に隠れてしまう箇所があったので、
和泉の家で使わせて頂く事になりました。
こういうやりとりは、やはり現場でないと成立しにくいです。


b0111223_16323123.jpgその代わりではないのですが、
リビングに見えてくる8寸梁にお勧めの材があると
工場長が出してきてくれたのが、写真の天然杉、6m!
美しいだけでなく、天然杉独特の力強さがあり、
面白みのある材です。
もちろん、Iさんにも強烈に(!)お勧めし、採用です!
これも現場に伺わないとお目にかかれない材だったと思います。


サカモトさんへの訪問は、直接木を見に行くこと、山側の人とお話しさせて頂くことの重要性、楽しさを再認識した時間でした。
Iさんも先導事業の要件関係なく、もともと
「これから住む家がどんな山からやってくる木なのか。それを知りたい」
そうおっしゃって、鳥取まで足を運ばれました。
とても熱心な住まい手です。

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社長や工場長ともたくさんお話して頂き、サカモトさんのギャラリーではたくさんの智頭杉に触れて頂きました。
杉のフローリング、足触りがやわらかく、とっても気持ちいいです。

今、Msではほぼ全ての物件、長期優良住宅の認定をとっています。
どのメーカーさんも「長持ちする家」をうたい文句にしていますが、
「長く住む家」 は 「長持ちする性能を担保している」 だけではダメなのだと思います。
そこに家に対する「愛着」がなければ人は簡単に家を壊し、新しい家を建てますから。
Iさんのように山まで足を運ばれ木と人に触れることは、新しい住まいを大事に思う気持ちがより強くなると思います。
結果本当の意味で「長持ちする家」になってくれればとても嬉しいです。

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# by MsARCH2 | 2010-09-04 17:54 | 新築
岩手 遠野 100年生カラ松
久しぶりに丸太からのフローリングを手に入れました。
福島県南会津に株式会社オグラがあります。
Ms日記でもしばしば登場してきますが、
国産材の材木を販売している会社です。
MsではMOKという木材販売会社が別にあり、
Msというより三澤が
日本のあちこちで製材させているMs好みの木材をストックし、
Msで設計する現場に使用しています。

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これはウッドバンクといって
天然乾燥できる土場が奥会津にいっぱいあるのです。






今回は内地カラ松。
カラ松は以前長野県信州林産でよく注文していました。
戦前からカラ松を最初に植林してきた産地だからです。
1950年代頃から、全国的にカラ松を人工林として植えてきましたが
岩手県では100年前から植林してきたのです。
5年ほど前、小岩井牧場の防風林として植林された100年生のカラ松を丸太で購入し
化粧構造材と板材に利用したことがありました。
丸太はすごいです。迫力あります。
元玉で40㎝ぐらいですが、白太の部分はほとんどなく、まっかっかです。


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今回は岩手県遠野地方の営林署からでてきた100年生の人工林のカラ松です。
オグラの渡辺さんから、そっと耳打ちされ、おもわず話にのってしまった物件です。



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フローリング用に製材しています。
歩止りもよいように仕上げで90㎜という寸法が最終です。
仕上がりの本実板をとるためには120㎜に挽かなければいけません。
また厚み15㎜に仕上げるためには、22~23㎜にしなければ
後の人工乾燥その他の縮みを予定しなければいけません。
35㎥の丸太を購入し最終的に製品になるのは約9㎥しかないのです。
歩止り25~26%
丸太購入→運搬→貸びき→乾燥→運搬→本実、ユニフローリング加工
という約半年間の時間がかかってきます。


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そして先日、私がオグラの渡辺さんと一緒に
フローリング加工に立ち会ってきた所はいわき市です。とても遠いのです。


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渡辺さんとも充分に挽き方を協議しました。
ラミナーはほとんど赤味です。
天然カラ松に近い風合いです。
節は生き節の所もありますが、
人工乾燥にかけると結構な割合で抜けてゆきます。
それをカットしてユニフロアーとして
1.82Mの材に仕上げるのが最終製品です。

この年輪のつまり具合とても楽しみです


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左に写っているのが今回お世話になった渡辺さんです。
キーパーソン、あえて顔は明かしません!

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# by MsARCH2 | 2010-09-03 18:01 | 林産地
残暑お見舞い申し上げます
大阪だけではなく日本中どこにいても真夏の中、
目の保養に京都に行きました。

「和菓子の歴史は虎屋の歴史」です。
京都御所のすぐ西側に一条店虎屋があります。
室町時代からここで和菓子を製造販売しています。

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私も大好きな空間なのでよく訪問します。
なぜならばこの近くでMsの設計が2軒ほどあったのです。

道から見て右側の住まい手から依頼されたのですが、
竣工した住宅を見て左側の方からも依頼された、
というめずらしい物件です。






この新装の虎屋、内藤廣さんの設計です。

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木造のように見えますが、御所の隣です。
コンクリート、鉄骨造の上に木板を貼りたして
和瓦と木部の細かい線が和を表現しています。

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この木材は一体何なんだろうと、
一緒に行ったスタッフ3名と問答しましたが…
たぶん米松のピーラーではないかということで
80%くらいの自信で私が答えておきました。
見付けが45㎜です。

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この店舗の天井は赤杉集成材のルーバーが
インテリアとして決めています。
赤杉 無地 そしてあわせている。
こんなに品質のよいものをそろえるだけで
一体どれだけの時間と予算がさかれたのか。

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今は酷暑なので外部デッキで涼しくはできませんが、
前回春に行った時、
屋外のこのスペースとても気持ちがいいのです。
足元にさりげなく蚊取り線香が置かれていました。

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喫茶室から屋外を見た風景です。
御所の隣で平屋です。
そして、こんなに広大な庭が古都京都のゆとりをみせてくれています。



現代の素材、建材を使用してもなぜか日本の和を感じさせてくれるデザイン。
新しいデザインの風景が、また新たなきらびやかで時間を感じさせない京都の心ができました。

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# by MsARCH2 | 2010-08-19 17:47 | その他
5年メンテナンス
木の住まいにはメンテナンスが不可欠です。
決して建ててしまえば終わり、というものではありません。
竣工後も住まいづくりは続きます。

今回ご紹介するのは尼崎のK邸の5年メンテナンスです。
竣工後5年経ち、6月の上旬に工務店さんと一緒にK邸にお伺いしました。
床下の水溜まりなどないか確認し、住まい手さんへ不具合などがないか聞き取りを行い、外周部の点検を行いました。
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床下は点検口より目視で問題ないことを確認しました。
非常にきれいな状態です。









外部の木部に対して塗装を行うことになりました。
外部塗装はもちろん雨天時にはできませんが、
前日に雨が降っていても木部に水が吸収されている状態なので塗装は行えません。
梅雨の時期と重なったこともあり、晴天続きをねらって8月2日にようやく塗装を行うことができました。


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今回塗装を行うことになったのは、
バルコニーの木部手摺と正面の縦格子、駐輪場・駐車場の軒裏部分です。
各箇所に塗る塗料を確認し、いざ塗装!
と言いたいところですが、塗装前に大切な作業があります。
それは、長年の汚れ・ホコリを取り除くことです。
汚れが残ったまま塗装を行うと意味がありません。






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特に軒裏の作業は常に上を向いた状態で行うので体力が必要です。
ヤスリがけを慎重に行います。








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夏休み中のお子さんももくもくと取り組んでくれました。
自分の手で自分の住まいに手を加えていくことの
楽しさを味わった1日になったかもしれません。










朝8時からスタートした作業は17時まで続きました。
塗装作業が終わってから、全体を見てみると朝とは異なる木の表情がありました。




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駐輪場の軒裏の塗装前(左)と塗装後(右)の写真です。
雨じみが目立っていましたが、塗装することでかなり解消されているのが分かります。


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駐車場の軒裏には、建て方の時の大工さんのものでしょうか、手形がくっきりと見えていましたが(左)、
ヤスリをかけて塗装し直すとほとんど分からなくなっています(右)。
今回の作業で、手形を付けないよう注意して行いました。


普段夏場クーラーのきいた所で机に向かうことの多いスタッフは、
いつも所長に言われています。
「真夏の外温度40℃近い中、読みにくい細かな図面を書いても施工してくれる職人がいる。
その作り手の身になって「もの」を作るための図面であれ」という意味がよくわかります。
毎日炎天下の中で作業をしている職人さんに頭が上がらない思いを抱きながら岐路につきました。

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# by MsARCH2 | 2010-08-09 18:40 | メンテナンス
Ms物件見学会 西日本国産材製材協議会来訪
暑い暑い関西です。久しぶりのMs日記です。
7月31日、晴天。Msの竣工物件の見学会でした。
西日本国産材製材協議会という団体があります。
日本列島の西側で大規模製材工場を営んでいる社長、会長が
私達のとてつもない小さな事務所の仕事を見学に来られました。とても名誉なことです。


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K邸(神戸市)                                                     H邸(芦屋市)




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K邸(工事中)                                                 H邸(西宮市)



Ms竣工物件、10年前のものから昨年竣工した物件、工事中の構造物件を見学いただくことで、
Msの「木の住まい」の姿勢を見ていただくことになり、私とても緊張いたしました。
大分・瀬戸製材、岡山・院庄林業、奈良・長和、和歌山・山長商店、三重・西村木材店・松阪木材と、
私達プロの中では超有名製材所の方々です。
日本の杉、桧のこれからの活用を促進するためにも、これらの大会社の社長、会長が実践しています。
Msの物件は、巷の在来木造の約2.5倍の杉、桧を使用します。
特にJパネルを使用している中、防火・耐震性能も飛びぬけて優れているのです。


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10年前に建設された芦屋市のH邸、大黒柱、板もいい色合いに焼けて、
10年経っていてなお美しくあります。













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この方が奥様(手前の方です)。
だれよりもこよなくこの住まいを自慢にしていただいている方です。













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私と意気投合している方、三重・西村材木店会長です。いつもは怖い方と聞いていますが・・・
他の人の話では、いつも厳しい目線で指摘されている方ですが、今日だけは特別です。
絶賛していただきました。ありがとうございました。











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西宮市のH邸の中です。ここも10年経っています。
吉野材の杉が本当に美しく10年間の時間を刻んでいます。













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最後は25年経過の三澤邸とMs事務所にて懇親会です。このご馳走は全て文子さんの手料理なのです。
料理名人は設計名人!!皆様、遠方より本当にありがとうございます。
この機会にお目にかかれました産地の方々、是非共また私が訪問させていただきます。













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文子さんのお話に聞き入っています。
この手料理、とても早くて、見栄えが良くて、おいしいのです。

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# by MsARCH2 | 2010-08-03 18:08 | イベント
マンションリフォーム完成しました!
マンションの一室に「木の住まい」が完成しました。
今回ご紹介するのは、小さなお子さんのおられるご家族のためのマンションリフォームです。
現場となったマンションは築30年以上経っていますが、
東南角に位置していて南側には公園の緑が心地よい1階の物件です。
マンションでもMsの新築仕様同様の「木の住まい」が広がります。

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今回はお風呂とトイレを除いてすべてスケルトンにしてから仕上げていきました。
b0111223_9511010.jpgマンション規約の工事時間の制約のため、
解体工事含めて約3ヶ月の工事期間でした。
外壁、床等の断熱改修の他、既存サッシ(外壁に面する部分はマンションの共有部分のため、
手が加えられません)の内側に新規のサッシを設けて断熱性能の向上を図っています。
これらはすべて、住宅エコポイントの対象となっています。








b0111223_9515663.jpgまず、玄関で目に入ってくるのは格子戸です。
上部にはFIXガラスが入っていて、格子戸を閉めると玄関スペースと居室スペースとが区切られます。
視界の遮断の他にも、風除室としての役割もあります。
マンションの鉄扉はどうしても断熱面で不利になってしますため、
ここで一度「区切る」ことは室内環境にとってとても大切なことです。
夏場、玄関扉を開けると南側ベランダに通じて心地よい風が通り抜けます。
玄関廻りには式台などに桜や栗、松といった堅木が豊富ですが、床はクルミのフローリングで統一しています。
クルミのフローリングが玄関、廊下、リビングまで続いています。








b0111223_9545478.jpg玄関左手には納戸を挟む形で洋室が2部屋あります。
2部屋と言っても、今はお子さんが小さいこともあって
閉め切られた個室ではありません。
写真左手に見えているのは、間仕切りを兼用した本棚です。
洋室側はもちろん廊下側にも収納可能です。
本棚と壁をつないでいるのは鴨居です。
将来的にここを個室として使用する時に、建具を入れられるように鴨
居とレールは今回の工事で設置してあります。
将来の生活スタイルの変化に対応できるよう設計することは大切です。








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一方玄関入って右手には洗面所があります。
白い洗面器にチークのカウンターが映えています。
Ms自慢のカウンターです。住まい手の希望もあり、実験用流しがあります。
カウンター上部には奥行きの小さな棚を設けています。ちょっとしたものを置くのにちょうどいい棚に仕上がりました。
写真右奥に見えている柱型を有効利用して吊収納を設けています。

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廊下を進むとキッチン、リビングダイニングが続いています。
写真右手に見えているのはタモパネルの置き家具です。
写真で見えている背板部分にはサワラを使用しています。
少し高めのこの置き家具は電化製品を置く場として、そしてキッチン手元を食卓から遮る役目もあり、1台2役です。

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クルミのフローリング(左の写真)です。
マンションで無垢のフローリングを諦めている方もおられるようですが、可能です。
奥に見えているのは南側ベランダのサッシです。
既存サッシの内側に新規のサッシを設置しているのが分かります。


ダイニングテーブル(ケヤキ)は5年程前から住まい手さんが座卓として用いられていたもので、今回の引越しを機に脚の取替えを行い、生まれ変わりました。
天板もヤスリをかけて塗装を行いましたが、5年の間も住まい手さん自身が日頃から手入れされていたこともあって、非常にきれいな状態でした。
心地よい木の住まいを実現するには、こういった住まい手さんのメンテナンスが必要です。
手をかければかけるほどこたえてくれるのも木の住まいの魅力です。





7/3.4には、住まい手のご厚意により完成見学会を開催させていただき、
同マンションの住人の多くの方にも見ていただくことができました。
見学会に参加していただいた方の中にはマンションの中に広がる木の空間に驚かれている方や、ご自宅の間取りを思い出しながら自分の家に対して想像を膨らませる方もおられました。
「北側の部屋の湿気がひどくて物置状態になっている」「フローリングだけ貼り替えたい」といった声も聞かれました。
マンションの中でも木の住まいが充分可能であるということを体感していただけて有意義な見学会となりました。

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# by MsARCH2 | 2010-07-07 10:10 | リフォーム
芦屋の家上棟しました!
先日芦屋の家が上棟しました。梅雨の中の上棟です。一番危険な時季に上棟が重なってしまいました。いつも注意してやっているのですが・・・。
そんな中、羽根建築工房が総力をあげて一滴の雨にも濡らさずに上棟工事ができました。
通常土台敷きから屋根の野地板張りまで2日半かかるところを1日半で行う強行スケジュールです!

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1日目に土台敷きから1階の柱、壁(Jパネル落とし込み)まで終わらせ、残り1日で野地板を敷くところまで。
翌日の天気は降水確率100%!今日一日が勝負です!

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いつもより多目に大工さんを投入していただきました。しかも、羽根社長自らも参戦!これはなかなか珍しい光景です。
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芦屋の家は2階にLDKと水廻り、和室、収納スペースを配しています。必然的に2階の面積が大きくなり、キャンチで持ち出している部分などもあります。
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下から見上げたところです。跳ねだしの部分は特に強度が必要なのでヤング110の集成材(4×9寸)を@910で架けています。Jパネルで水平構面を固め、しっかりした床となりました。

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お昼を過ぎると、もうだいたいの形はできあがってきました。道行く人がみなさんじっとご覧になっていきます(いつもそうですが)。犬のお散歩中のマダムから「積み木みたいな素敵なおうちですね~」と声を掛けていただきました。積み木みたい・・・に見えるのですね。Jパネルを同時に建て込んでゆくのでぱっと見た感じで木材の使用量がふつうの住宅より格段に多いのが分かるのでしょう。実際、Jパネルの落とし込み工法で作るMsの家はふつうの木造住宅で使用される木材の2倍強の木材を使っている、まさに「木の家」なのです。

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芦屋の家の大黒柱。さて、これはなんの樹でしょう?正解は・・・・『キハダ』です。Msでもキハダの大黒柱は珍しいですが、見た目は「クリ」によく似ています。この大黒柱が階段を上がって左右に2本立ちます。キハダは文字通り樹皮(内側の)が黄色い樹なのですが、樹皮は乾燥させて胃腸薬として用いられるそうです(「黄檗(おうばく)」という生薬、ご存知ですか?)

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そして、2階の天井。今回、またまたレングスさんにお願いし、特注Jパネルを作りました。杉赤のこだわりJパネルです。今回は高知の森昭木材さんに材をお願いしました。リビング、ダイニングの天井はこの赤身Jパネルに芯去りの小梁が@606で架かり、上品な仕上がりになっています。

羽根建のみなさんのスピーディーなお仕事で、予定通り野地板を敷くところまで終了!梅雨の中、奇跡に近いです!今回の工事参加者、住まい手、そして設計者の毎日の行いがいいので神様も助けてくれたのでしょう。後片付け、翌日の雨に備え養生を終えた頃にはすっかり夜でした。朝7:30~20:00まで、暑い中ご苦労様でした!
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# by MSARCH2 | 2010-07-03 20:46 | 新築
三澤康彦林産地を行く!② ㈱サカモトを訪ねて~智頭杉~
先日採択を受けた平成22年度1回目の長期優良住宅先導的事業。
この1棟目となる住宅の木材発注をするために鳥取県智頭町にある(株)サカモトを訪問しました。
私、三澤は天候には絶対の自信がある“晴れ男”です。
昨夜まで雨が吹き荒れていましたが、朝方雨も止み午後には晴れました!
住まい手は以前Msが豊中で設計した建物を見学されて、その縁もあり林産地が決定しました。
吉野林業の施業を習った林産地として私達専門家の中では(とりわけ日本海側林産地として)一押しです。
(株)サカモトの社長、工場長に1/30の模型まで持ち込んでどの部分に力を入れているかを説明しました。
生産者側と認識を同じくするためには、メール・電話ではなく顔をあわせて対話することが重要なのです。

b0111223_20435941.jpgb0111223_21562355.jpg(左)サカモトさんの事務所。
きれいに花の手入れがされ、素敵な事務所です。
工場内も整然とし、とても気持ちがいいのです。
左端に写っているのが、坂本社長です。
(右)事務所の2階は家具のショールーム。
これもサカモトオリジナル。柾目がきれいです。




b0111223_20515680.jpgb0111223_21571213.jpg(左)戦前に植林された高樹齢の丸太。
厳しい冬をいく度も乗り越え年輪の詰まった良材ばかりです。
(右)中温乾燥庫。
杉の成分、色目、香りをできるだけ失わないよう
中温(60℃)で10日ほどかけて乾燥させます。





打合せもほぼ終了し、お昼ごはんということになり、渓谷の奥に行くことになりました。
昨夜の雨で緑はとてもきれいです。
みたき園という森林の中にそっと佇まいを配置した料理屋さんに行きました。
茅葺の民家を移築して利用しています。

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ご馳走になったわけですが、ここは素晴らしいです!
私が訪問した中でも5本の指の中に入る環境です。
これで温泉があればNo.1になるのですが・・・。
そんなことを除いても最近の訪問の中では一押しです。




ほとんど自然そのもの、でもさりげなく手入れされた森の中には

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渓流に面してこんな桟敷があったり、     こんな素敵なカフェがひっそりとあったり、     こんな滝(!)まであるのです。





また、そこで働く おばちゃん お姉さんたちが素敵です。

b0111223_21171082.jpgてきぱきと笑いながら
みんなで水蕗(みずふき)の葉を取っているところです。
お揃いのほっかむり?が可愛いですね。






お昼ごはんの帰りに車の中からなにやら気になる建物がありました。

b0111223_21205783.jpg山形小学校という創立100年以上の小学校です。
木造の校舎がとても味わい深くいい感じで、
聞くと有形文化財に指定されているそう。
たまたま授業が午前中で終わって生徒さんもいなかったので
中を見学させて頂きました。

b0111223_21244978.jpg長い廊下にずらっと木製の連窓。
これはモダンです。
天井板、柱、床板全てがいい色に焼け美しいです。






ただ、残念な事にこの学校、2年後には他の学校と統合されてしまうそう。
今後この校舎をどのように利用したらいいか今、町のみなさんで考えているそうです。
まだまだ美しく、建物としても充分機能するこの学校。これからも愛され続けて欲しいものです。

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# by MsARCH2 | 2010-06-16 22:16
三澤康彦林山地を行く!速水林業を訪ねて~尾鷲ヒノキ~
6月6日梅雨も間近の中、三重県尾鷲ヒノキで有名な速水林業を訪問してきました。
尾鷲というと以前は陸の孤島のような不便(道路)でしたが江戸時代、帆船の黒潮海流にのれば名古屋などすぐという便利さがありました。
その陸の孤島も高速道路で往復500キロを朝7時半に出て夕方5時過ぎには大阪に戻ってこれます。
休日の高速道路1850円でゆけるということもありがたいです。
今度池田で建てる住まい手を乗せて約3時間ほどで太平洋の海原が見えて速水林業に着きました。
FSC(森林認証)2000年2月日本で初めて取得した林業地です。1070haある社有林、その中で今回訪問した所は大田賀山林です。約100haの山ほとんどがヒノキ林ですが、地面にしっかりと光が入り下草が生き生きとしています。この時期ウラジロシダが雨つゆ吸って生き生きしています。降雨量4200mm/年と日本の平均の2.5倍降ります。

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私設林業博物館です。山で電動道具の無い時代、人の手で集めて伐ってはいで山元まで金馬で引く、人間の手ですべて施工する重労働の山の仕事です。
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昼のこの涼しい中で昼食です。極楽です。
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これは毎年4000人は超すといわれる見学者のための会場です。天井(屋根)がテントなので、とても明るい空間です。年間4200mm降る雨の中では会話ができないほと雨音もあるそうですが、グッドデザインです。
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昔、和田善行が言っていました。ヒノキ山はあまり日が山中にはいらない!!ヒノキの樹下には草が生えにくい!と言っていましたが、施業のなせる技です。これが人工林かと思うほどの明るい重層している林です。
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速水さんがいつものよく通る大きな声で説明している脇でメモをとる三澤文子さん。
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これは何だと思いますか?みょうがなのです。まもなく開花です。

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この下草があればこそ、葉が腐葉土になり、やがて土となり樹の栄養となるのです。1cmで100年だそうです。このカットまるでアンリールソーの絵のようです。速水さんは三澤康彦と同年代昭和28年生まれです。パナマ帽子がよく似合っています。
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速水林業の手入れがこの年輪には証拠として残ります。通直、年輪が均一です。これは凄いです。
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苗畑は自前で育てています。人員20名足らずでこの森林を育林、伐採して産業として山に利益を戻してゆきます。
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# by MsARCH2 | 2010-06-07 15:54
Ms事務所の外構
5月は五月晴れの中ですが、今年の5月は例年より雨が多いのです。
いつもはエゴの花がきれいに咲きほこるMsのお庭です。毎年南面の日照を遮るためにゴーヤを植え込んでいます。
4月中旬、沖縄より取り寄せたゴーヤの苗、1ヶ月で成長しました。
花壇となる器はJパネル2層の余ったものでMsのスタッフが組み立てています。よく住まい手に「杉三層パネルの接着剤、湿気で取れませんか」と聞かれますが、屋外の露出した外構の中で5年近く経ってもびくともしていません。ただ、多少は反ってはいますが。。。
今年の苗床の土づくり、こだわっています。家庭ででた生ゴミを発酵させて熟成させたものを土にまきこんでいます。
たぶんそのせいでしょう、葉の成長がとても早いのです。

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今年も昨年と同じでミツバチが少ないです。エゴの花も今年はこれだけです。
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昨年はザクロの花芽がすごかったのです。冬場に堆肥を私がたっぷりあげましたから。
植物はすごいものです。手入れすれば次の年にはすぐに反応するのです。
人間の教育は、なかなかそういうわけにはいかないのです。

紫陽花の花芽もいっぱいです。
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紫ランの花も今は盛りです。
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千里ニュータウンの町並みも1965年当時の住まいの半分くらいは姿を消しました。住まい手が40代で入手した住まいも45年経つと、住まい手は90代になり次の世代に移ります。住まいがいくら魅力的でも耐震・断熱性能が劣っている住まいは魅力ありません。
それを断熱・耐震改修すればいいのですが、それ以前に相続した税金が払えません。それゆえ120~130坪ある敷地を2分割、3分割して売ってしまう傾向がこの街にもあります。
あとにはハウスメーカーの味気ない建物、そしてカーポートのアルミの簡単な駐車場、植栽など植えられる余地などありません。ハウスメーカーの家も道路前面のインフラ、緑の壁があれば風景としても良環境なのですが露出して建物がみえてしまいますゆえ、とてもいけません。

私の師である美建設計事務所 故石井修氏が言っていました。
「家の前に緑があればそれだけでも充分だ。建物の形などいい、悪いなどあまり緑化の街並みの中では影響は少ない。とにかく都市の緑を多く取り入れることが重要だ。」と言っていました。


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私の事務所も家の形はあまり見えません。

玄関向かって右がザクロ、左が野村モミジ、赤のポールが印象的です。
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# by MsARCH2 | 2010-05-25 15:40