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10年目の木の住まい ~Msメンテナンス T邸終了10/21~
今年の5月にMs日記(Msのメンテナンス)に書かれていたT邸のメンテナンス。一体その後どうなったのか?多くの方が楽しみに待っていたと思います。今月メンテナンス工事が終了しました。



浴槽の水漏れですが、原因は風呂の洗い場にある排水目皿からの水漏れでした。目皿をしっかりと固定、接続しました。これで水漏れの原因を処理しました。また水漏れをしたとしても水が溜まらないように基礎に穴を開けました。もちろんシロアリが上がってこないようにパッキンもしています。またコウヤマキの浴槽も10年経ち腐食も進み、シロアリの温床となっていましたので人工大理石の浴槽に変更しました。

原因の排水目皿。水が漏れて溜まっていました。
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基礎の水抜き穴に取り付けたパッキンです。
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浴室です。タイルも補修して綺麗になりました。それにしても10年経っているのが不思議なぐらい綺麗な壁板です。樹種が分かるでしょうか?なんと杉(赤味)です。 浴室に杉?カビは大丈夫?確かにサワラや桧に比べて杉はカビが生え易いです。これは日頃のお手入れのおかげです。綺麗に使っていただけて嬉しいです。

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5月の記事でシロアリに食べられていた駐車場の枕木は、コンクリート打ちになりました。コンクリートとコンクリートの間には施主自ら竜の髭を植えられます。

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玄関と玄関横の杉板も洗いをかけてから再塗装しました。
写真を撮っていると学校帰りの子供たちが『この家綺麗になったねー』と話していました。
子供達が関心を持っていたことに驚きつつも、嬉しい一言でした。

メンテナンスをしながら上手に家と付き合っていく。とても大切なことです。


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そとん壁、10年経ってもこんなに綺麗です。
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by MsARCH2 | 2009-10-22 19:20 | メンテナンス
Msの木の家10年経過・・・外部木部メンテナンス ~Msメンテナンス Y邸終了10/21~
約十年前に建てられた吹田市の物件。傾斜地に建つ半地下のRC造の駐車場の上に木造3階建ての建物です。数年に一度、小規模の修繕をしてきましたが、今回は1階アプローチデッキの張替えと外部板壁の塗装などの改修、修繕を行いました。
内部はとても綺麗に住まわれており、床や構造材は良い色に焼けて深みのある空間になっていました。ただ、外部の木部は風雨にさらされているので、どうしても傷みが出てきます。




写真は1階部分の手摺です。色は墨汁を塗ってありました。長年の雨で色が落ちて、見た目にも綺麗とはいえない状態です。木も痩せており、下の方はボロボロです。
西日がとてもきつく、杉板が熱で反り返っていました。


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これが板を張り替えて、再塗装した状態です。どうですが?見違えるように綺麗になりました。以前は墨汁を塗っていましたが、色落ちの問題があるので今回はノンロットを塗装しました。また板表面からビスで固定して反らない処理をしました。
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外壁の杉板です。こちらも塗装は墨汁でした。雨のよく当たる場所と当たらない場所で色むらがありました。一時期墨汁が流行りました(柿渋も)しかし耐久性あまりよくありません。
写真は雨のよく当たる部分です。ほとんど墨汁が取れています。ただ、杉板自体は腐れも無くまだまだ十分に使えます。メンテナンス方法として再塗装することにしました。

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先に塗ってある色が黒色ということもあり、上に塗る色を何にするか苦労しました。色々検討した結果オスモのローズウッドになりました。塗装してみると色むらも気になりません。新しい木に塗装するより、深みのある良い色になりました。
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1階アプローチのデッキ材です。ビスの周りから腐っています。外部デッキは塗装をしても5年ほどしか持ちません。
外部デッキの張替え工事はメンテナンス工事の中でも一番多いメンテナンス場所です。大引きなどの腐れも心配なので全て取り替えることになりました。

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今回張り替えたのはMs事務所のデッキにも使っている、クマルというウリンに似ている熱帯広葉樹です。とても硬く、耐朽性もよくシロアリにも強い木です。木自体に油が多く含まれているので塗装をする必要もありません。細かくリブが入っているので雨の日でも脚を滑らすことがありません。
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前回はデッキに点検口がなく排水口に落ち葉や泥が溜まり床スラブがジメジメした状態になっていました。今回は点検口を設けて排水口周りの掃除が出来るようにしました。排水口の点検とても大切です。
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2階へ続く外部階段も同じ材料で張替えました。ササラの鉄骨も再塗装しています。
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2階ポーチ部分、軒下の構造材です。10年の間に凄い日焼けをしています。シミなども出ていました。
この部分も外壁と同じ色を塗りました。

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塗装後です。見違えるようです。
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綺麗になりました。10年経っている木造の家には見えません。
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今回の修繕は外部がメインでしたが、内部ではシロアリの被害がありました。専門家に来て頂きシロアリの侵入口を捜しました・・・ありました。デッキで陰になっていた基礎立ち上がり部分(洗面所、浴室がある場所)に蟻道を発見しました。蟻道を壊してみると・・・シロアリです。
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蟻道を壊して、駆除剤を散布しました。 シロアリのたくましさには毎回驚かされます。シロアリも生きるために必死です。今後の点検のためにも新たに点検口を設けました。

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やはり木造の家はメンテナンスが大切です。大切に家をメンテナンスすることで長く住むことが出来ます。昨今、超長期の家と言われますがメンテナンスフリーで100年、200年と家の寿命がもつ訳がありません。住まい手が愛情をもって家をメンテナンスしていくことで超寿命の家になるのです。家を大切にしていただけると設計者としても、とても嬉しく思います。またメンテナンスをすることで勉強することも多いです。
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by MsARCH2 | 2009-10-22 17:38 | メンテナンス
漆塗り
10月13日、14日、岐阜県森林文化アカデミーにて木材漆塗の実習がありました。金沢の泉谷しげること(金沢では有名人です)漆塗職人・沢田欣也氏が講師です。Msのスタッフも参加しました。
漆を扱うということは、肌につくとかぶれます。それも尋常ではないくらいにひどいことになりますが、この名人沢田欣也氏、さすがに慣れているのか一人軽装です。

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漆は日本で伝統的に使用されてきた自然塗料です。木材に漆を塗ることにより、深みのある色合いが出てきます。また、防虫、防腐、抗菌効果もあり、浴室など水周りで使用する木材に効果的な塗料です。近年はより強い効果のある合成化学塗料も一般的に使用されていますが、原料から生成まで100%天然なのは漆だけです。また、仕上がりの質感は他の塗料では出すことができません。

今回塗るのは漆の樹液を漉しただけの生漆(きうるし)です。

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かぶれる恐れがありますので、漆塗の作業にあたって、手袋やハンドクリーム等、触らないように万全の準備をしておきます。今回の木材は針葉樹であるサワラの木の板です。この板に漆を塗る→布で拭く→乾燥室で乾かす という手順で数回重ねて塗ります。
三澤文子も重装備で塗っています。
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1度塗りの状態です。
塗り重ねるごとに色濃くなっていきます。
このサワラ、東京岡部木材店でそろえていただきました。
超仕上(表面カンナ仕上)がかかっていますので漆の伸びがとてもいいのです。

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乾燥室は漆の乾燥に最適な環境・室温20℃、湿度70%になるように加湿しています。

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今回は3回ほど塗り重ねました。仕上がったサワラの板は美しい光沢を出しています。
黒光りのするサワラの板、どこに張ってやろうかなと今から楽しみです!!

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木材の塗装もMsの設計業務の一環です。
木材に触れ合う作業を行うことにより、木材の特性をより深く知ることができるのです。

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by MsARCH2 | 2009-10-15 12:20 | その他
富田林 K邸  木配り
設計者は大工棟梁であれ!!



もう数百件でしょうか・・・
エムズの設計者が、構造材を全て山の製材業者から良質の杉良質の杉、桧を吟味し購入しています。林産地とのネットワーク、木を見る確かな目がMsの得意分野です。他の設計者ではできません。1/30の構造模型も作り、接合金物の位置まで明記し、加工の打合せを密にしてゆく。全て設計者が行います。

今回構造材は吉野製材の雄、阪口製材の化粧構造材です。素晴らしく・・・素晴らしく美しい。緻密、赤味、乾燥含めて合格です。 この梁、1本1本全てに番付(普通は大工の棟梁が行います)することが、Msの設計でもあるのです。


①三重県松坂市にあるプレカット工場(コウヨウ)での打合せ風景です。打合せに必要な施工図(Dボルト詳細図、Jパネル割図)は全てMsが用意します。プレカット担当者、大工の棟梁、現場監督と出席してもらい、用意した図面と軸組模型をみながら納まりの確認をします。

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②見事な材です。乾燥もバッチリです。ブログ用に良い写真を撮っているわけではなく、材によりバラつきはありますが平均すると30%ぐらいの含水率になります。プレカットの時点でこの乾燥は見事です。

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③伏図を確認しながら一本一本、木配りしていきます。横架材だけでも80本ほどあり、その全てに番付していきます。材料を並べるのも一苦労です。普段机の上での仕事が多いスタッフは、木配りの次の日は筋肉痛になっています。
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④8寸、9寸の5m材です。本当に綺麗な材料です。このような良材が手に入るのもMsの強みです。林産地とのネットワークがあるからこそです。

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⑤この12㎝角(4寸)の赤味の柱、なかなかこの色目のものは入手できません。さすが吉野材です。年輪も緻密です。

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by MsARCH2 | 2009-10-03 09:36 | 長期優良住宅