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三澤康彦 林産地を行く!!  九州大分編
久しぶりの九州大分上津江を訪ねた。九州のほぼ真中、熊本県との県境である。とても不便な所です。だから自然がいっぱいある。そのため森林を生かした林業地で元気のよい会社がある。はじめに紹介するのがトライウッドです。
トライウッドの設立は1995年、私が初めて訪問したのが11年前。当初は外材に対応するために人工乾燥をした乾燥材を中心にした製品を手がけていた。しかし最近のエコ建材の長所をよりアピールするために、輪掛乾燥(10ヶ月~1年ほど野外に行桁した状態で置き、製材する方法をとっている)を手掛けはじめている。現在4000㎥ほど野積みしてある。
昨日訪問して11年前とは違い、含水率、強度ふくめて定量化されてあり、なにより天然乾燥材としての付加価値を見出していることが共感できた。
わたしも一時期は人工乾燥しかないと言っていた時期がありましたが、100℃以上の窯から出てくる材は、色合いが材本来の持ち味が無くなり、またそれ以上に木材の特質であるネバリが無くなることに気づき、現在は最高でも70℃としている。
トライウッドの花形商品はトライウッドパネル(通称=トラパネ)横ハギ杉パネルである。仕上げの壁、造作家具などに大活躍である。30×910×1820のMサイズから、特大のもので1000×4000まで製作できる。ラミナの選木から節の埋木までオートメーションでは決して出来ない技術がある。 トライウッドは年間8500㎥の原木を扱い、1000haが管理委託してあり、エスジャックの森林認証をもっている。


①伐採年、月、日、場所など森林認証を受けています。食品のようにバーコードで区別わけしています。
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②トライウッドのある日田市・上津江は森林が95%を占めています。山林に囲まれたこの地で丸太を製品にしている。
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③九州の杉は年輪が荒く構造材にはむかないと、よく知らない人達は言うが、一番玉ではなく二番玉の年輪の比較的詰まった部分を梁材として調達しています。
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④人気商品のトライウッドパネルです。写真は節埋作業中です。
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続いて紹介するのが、日田市にある横尾木工所。得意とするのは2m材以下のもの、いわゆる短尺のフローリング、本実板が主製品である。先代の社長は、魚缶、とろ箱などの箱物の板を主製品としていたため、短尺を得意としていたが、最近では箱物がほとんど発泡スチロールに取って代わってしまったため、万事休す。その中で知恵を出し合って今までの技術を生かしながらできるフローリング、本実板が誕生した。4m材と違い取り回し易く、マンションリフォームなど狭い場所への搬入に重宝している。天然乾燥にもこだわり木工所の川沿いに大量に桟積乾燥してある。厚さ30㎜以上の板になると天然乾燥にも限度がある。そこで横尾木工所では、予備乾燥として製材時に出た木材の木っ端を使い燻製乾燥をしている。化石燃料に頼らず、木の残物を十分に生かした方法である。

①燻製乾燥機昔からの知恵です。しかし一つ問題が・・・焚きだして最初の30分は煙がすごいのです。周辺住民に迷惑をおかけするので、近日中に改良するそうです。 
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②丸太の残材を有効利用。知恵を出せば無駄なく木材を利用できる1例です。      
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③桟積された材です。圧巻としか言いようのない光景です。綺麗な桟積がこの会社のレベルの高さ、意識の高さを感じさせます。この几帳面さが精度のよいフローリングをつくる。b0111223_21363865.jpg
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by MsARCH2 | 2008-03-27 20:26 | 林産地
新潟 さつき野の家の完成見学会を行いました。
日増しに春らしくなってきました。
先日は、昨年末に完成した「さつき野の家」(新潟)の完成見学会を行いました。
2ヶ月ぶりの新潟は快晴。ポカポカ陽気の見学会日和です。
当日は、県内各地から約40人の方にお越しいただき、にぎわいました。

この「さつき野の家」は越後杉を構造材とし、Jパネルの表面にも越後杉を使用するなど、積極的な新潟県産材の使用を試みています。
新潟県で林業関係の仕事に従事する住まい手ご夫妻のご協力で見学会の開催が実現し、県産材や国産材の利用推進を訴えてきました。
唯一の暖房である蓄暖の効果も抜群。ちょっと暖かすぎて窓を開けて調整したくらいです。閉め切っていたせいか2階で28℃もありました。
4月には入居し、新しい生活が始まる予定です。

今回の越後杉の家、住まい手も若く、30代の世代にリーズナブルかつ長寿命の省エネルギー住宅としての方向性を持つことができたと思っています。
この杉の家をもっと普通に一般の住まい手が入手できるよう、Ms定番住宅として、施工技術・コストを見直してゆきたいと思います。


①見学者を待つ「さつき野の家」 春の朝日をたっぷりと浴びる。
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②いよいよ、見学開始。使用材料や性能などについて解説する。今回は、実物大の壁構造模型や温湿度の実測データなども展示した。
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③木に囲まれた2階で、説明にも力が入る。写真に写っている木材はすべて越後杉。
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④フローリングは、岩手三陸産の唐松フローリング。
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⑤登梁から吊るされた吊りバルコニー。軒はJパネル。
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by msarch2 | 2008-03-22 14:13 | 新築
万博公園にて
今日は土曜日。
最近あまり歩いていないので久しぶりに万博公園まで散歩をしてきました。
10時に出て、帰ってきたのが14時。
途中、以前に設計した「珈琲倶楽部Ami」で昼食にカレーライスを食べて、往復たぶん6kmほど。

とてもいい天気で万博公園の梅園は大盛況です。
そう、EXPOが終わって38年。
世界中からパビリオンがこの万博会場に建てられましたが、
今はMs事務所の大切な散歩コースです。
この公園には、梅、桜、菜の花、ショウブ、アジサイ、蓮、モミジと、
季節を存分に楽しませてくれる花が次々と咲いています。

世界の祭典がこの吹田で行われ、半年の間、一日に30~40万人もの人が、
日本中、世界中から訪れました。
私が18歳の頃、建築オタクの世代で、よくパビリオンを見学に行きました。
私が大好きだったのはブリティッシュ・コロンビア館。
丸太を建てたような建物でした。
各国のパビリオンがそれぞれお国自慢に近いユーモラスな形で迎えてくれましたが、
40年近くたった今や、自然林のようになっています。

やはり自然の力はすごいと思います。
建物の形などは古くなってゆく一方ですが、緑の力は1年1年パワーを増してゆきます。
私達もできるかぎり、建築の力だけではなく、
その周りの緑との共存を図ってゆかなければいけません。


〈サザンカ〉
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〈豊後梅〉 
赤い花なのですが、まだつぼみです。
他の梅は咲いているのですが、この種類は一番遅いです。
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〈白加賀梅〉
白の色が少し青みがかっています。
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〈柳川枝垂〉
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〈月影〉
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〈春日野〉
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そして茶畑もあります。
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庭師が黒松の剪定をしていました。
さすがに黒松、男松といわれるだけあって堂々としています。
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by MsARCH2 | 2008-03-08 16:59 | その他
寝屋川の家 1年メンテナンス
寒さも和らぎ、日差しも春らしくなってきました。ちょうど1年前に寝屋川で竣工した3階建ての家の一年メンテナンスに行きました。現在は施主夫婦が2人で住んでいますが、将来の2世帯にも対応した住宅密集地の3階建てです。構造材は高知県森昭木材、施工は羽根建築工房です。
 木の家は定期的にメンテナンスをすることが大切です。Msでは竣工から木材が落ち着いてくる1年後にメンテナンスを行います。建具の調整や構造材の割れ、パネルの隙間やねじれなど工業製品には無い自然の木材だからこそ色々な問題が出てきます。今回もそうですが、特にお施主さんが気にされるのが梁などの割れです。構造的に大丈夫なのか心配されます。結論から言うと構造上はまったく問題はありません。芯持ち材である限りどこかの面に割れが出てきます。しかし、割れは浅く2㎝程度です。割れた部分に紙などを入れ説明することで納得していただきました。あとは建具の調整が多いです。建具も木材が落ち着くまでに時間が必要です。しかし木製建具の良い所は、現場で鉋などで調整できることです。木の家は年月と共に変化していきます。メンテナンスをしながら大切に使うことで、その家の味が出てくるものです。寝屋川の家はお施主さんが綺麗に大切に家を使っていただけているのが一目でわかる美しさでした。


①玄関収納の天板(ヒメコマツ)が飴色になり、本当に良い色になっています。何か塗装し直したのかと疑うぐらい良い色です。
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②1Fの桧(ア)30のフローリングです。竣工時よりも艶が出て美しいです。いつも杉ばかり見ているので桧の艶ってこんなに美しいとは。工業製品と違い経年変化が美しいのも木材の特徴です。このフローリングは構造材同様に森昭木材です。
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③軒裏のJパネルも日焼けして良い色になってきました。
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④西側外壁の最高級品チーク材の格子です。西日を和らげる効果以外にチークの濃い色が外壁のアクセントになっています。
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⑤2Fリビングにて記念撮影、左側よりお施主さん、羽根建築工房の和田さん、私です。以前にも書きましたが、この部屋は日当たり、景色が最高です。南側の畑がいつまでもあることを祈ります。

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by MsARCH2 | 2008-03-06 16:45 | メンテナンス