MOKスクール 加子母ツアー
5月21日・22日とMOKスクール恒例の林産地ツアーに行って来ました!
東濃ヒノキの主産地として知られる岐阜県中津川市加子母に総勢20名程で訪れました。
今回のツアーが実現したのも、以前MOKスクールで講義していただいた中島工務店さんのご厚意によるものです。
この場を借りて、お礼申し上げます。
中島社長 ありがとう!!

一日目は、中島社長直々のエスコートで
神宮備林・木曽ヒノキ備林と、裏木曽の山林を見学させていただきました。
途中、山向こうに雪の残る御嶽山が雄大な姿を見せていました。

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114k㎡ある加子母の95%が山林です。
山の上方は年間を通じて気温が低く、雨量が多い上、地盤の浅い部分にホドゾル土壌を形成
浅く広い根を張るヒノキが多く自生する要因となっているのです。
杉を多く扱ってきたMsですが、ヒノキも構造材やデッキ材など随所に取り入れています。


神宮備林は伊勢神宮の遷宮用材として納められる御用材を採取する森林のことで国有林の為、許可を得なければ入ることはできません。
この貴重な山林を社長とともに案内していただいたのが中島工務店の中川さん。
以前は林野庁に勤められており、山に関して非常に詳しく、MOKスクール生からの質問攻めにも丁寧にお答えいただきました。

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350年と樹齢が高く、大きなヒノキが自然林として残っています。
かつて裏木曽の山林を納めていた尾張藩が「ヒノキ一本、首一つ」と、厳しい規制を敷くことで乱伐から守ってきた経緯があります。
しかし、国有林となった今でも管理の目をくぐった盗伐被害があるそうです。



「三ツ緒伐り(みつおぎり)」と呼ばれる特殊な方法で御用材を伐採します。
この方法は伐倒方向が正確で、芯抜けや、突き割れが少ないのです。
写真のような三ツ緒伐りで伐られたヒノキの切り株を所々で見ることができます。

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次は、二代目大ヒノキを見るために少し移動。

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樹齢千年!
パワースポットからエネルギーをいただいて帰ります。


エンドユーザーに山を見に来てもらいたいという中島社長。
都市で暮らす住まい手と、日本で林業を営む方々とを結びつける、それが持続可能な山林・社会をつくっていくのです。
中川さんの試算で年間6,000万㎥までは国産材を利用しても、持続していけるそうです。

伊勢の遷宮は20年に一度です。そのたびに10,000㎥のヒノキが必要とのことです。
そんなに頻繁に建てては木曽のヒノキは本当になくなってしまいそうです。
いいのか、悪いのか
考えさせられてしまいました。

この後、加子母にあるバンガローにてバーベキュー

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中島工務店さん・MOKスクール生同士の交流の場となりました。


二日目は、ぱらつく雨の中
かしも大杉→乙女渓谷→かしも産直市→東濃ひのきの家→加子母小学校・ふれあいコミュニティーセンター→明治座と、盛り沢山です!

国指定天然記念物のかしも大杉は、樹齢千数百年、高さ31m、幹周り12.4mの巨木。

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この大杉のある大杉地蔵尊には赤子にまつわる言伝えがあり、祈願に来る方も多いのです。
見上げる程の大きな杉を見た後は乙女渓谷へ
加子母川の源流に向かって進みます。

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早朝のきれいな空気をいっぱい吸い込み運動をした後は、産直市で腹ごしらえです。
木曽地方の郷土料理である朴葉寿司をいただきました。
朴の葉は大きく、芳香による殺菌作用があります。


その後、協)東濃ひのきの家のプレカット・乾燥炉・集成材加工・造作材加工の工場見学へ。


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加子母中に工場があり、木材に関することなら何でもお願いできます。
ただ、中島工務店さんの工場には製材部門がありません。
それは、地場の製材屋さんとも関わりながら地域の活性化を願う中島社長の考えによるところでしょう。

工場で加工したものを近くの木のなんでも市場で購入することができます。
ついつい私も熱が入ってしまいます。

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次は加子母小学校とふれあいコミュニティーセンターの見学です。
これは木材産業構造改革強化促進整備事業の一環で
大断面の集成材を取り入れた木造建築物です。
この他にも加子母には大断面集成材を用いた建物があります。


そして最後に明治座という明治27年に建てられた地芝居小屋を見させていただきました。

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中島社長、中川さん、社員のみなさん、そして私達を最後まで安全に送り届けてくださった小川さん
本当にありがとうございました。
非常に有意義な2日間となりました。
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# by MsARCH2 | 2011-05-25 20:48 | MOKスクール
A邸(千葉県市川市)の構造材検品を行いました
b0111223_9145849.jpg春の陽気を飛び越えて一気に夏を感じる大阪です。
Ms事務所の夏の風物詩〝ゴーヤカーテン〟も日差しを受け、すくすく育っています。
スタッフの昼食になるまで毎年天然カーテンとして大活躍してくれます。
今年は鉢植え(Jパネル製!!)も新調し準備万端です。


さて、今回は新しい物件のご紹介です。敷地は千葉県市川市。現在マンションにお住まいのご夫婦お2人の「木のすまい」です。住まい手さんであるAさんは、MOKゼミ東京を受講頂いていました。MOKゼミとは一般の方を対象に、三澤がコーディネーターとして様々な分野の方(温熱環境、防火構造についてetc…)と対談形式で行ったセミナーです。今年は場所を関西に移し、MOKゼミ神戸として開催中です。お気軽にお問い合わせください。


b0111223_18482016.jpg閑話休題。
そんなA邸の構造材検品に行ってきました。
いつものMsの構造材検品と少し風景が異なります。
杉ではありません。クリ材の山です!
材木のストックを所有するMsではよく、
杉の構造材とは別に堅木の大黒柱やカウンターを、
木の住まいのアクセントとして用います。
A邸では住まい手さんのご要望もあり、ふんだんに堅木を構造材として用いる計画なのです。


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クリなどの堅木はMsのストックとなってから5年以上経っています。つまり5年以上天然乾燥状態、ということです!今か今かと使用機会を待ち望んでいた堅木たちをリフトで運び出してもらいます。天気もよく他のストックしている材木の天日干しも兼ねることができました。
こちらもよく天日干しされた永田氏(右写真左手)はインターン生としてMsに来ている材木屋さんですが、Msのストックを見て驚かれていました。永田氏曰く、「困った時はMsさんに発注します!」


b0111223_18502864.jpgb0111223_1850416.jpg全てのストックを出したところで検品作業の開始です。含水率は15%内外、ヤング係数も4本がE130と好成績をたたきだしていました。(その他の材もE90、110)
何とも、選手層の厚いMsの材木ストックです。頼もしい限り!計測と同時進行に三澤が木配りを行います。1本1本転がし、どこに用いるか木材との〝対話〟で決めていきます。

今から青空の下のクリの梁・柱が楽しみです。

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# by MsARCH2 | 2011-05-23 09:26 | 新築
MOKゼミ神戸
先月のお話になります。神戸で『MOKゼミ神戸』というセミナーを開催しました。会場は北野にあるトアロード・リビングス・ギャラリーさん併設のトアロード・リビングス・スタディオ(写真上)
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写真下2枚はギャラリーの様子。オーナー高井さんの目利きによるセンスのいい暮らしを彩る“もの”がところ狭しと並んでいます。ご縁があってこちらのスタディオを貸していただくことになり、開催するセミナーは一般の住まい手さんを対象に、『心地いい木の住まい』について分かりやすくお話する講座です。今のご時勢、ネットで検索すれば様々な情報が手に入ります。例えば「木の家・自然素材の家」などと検索すると無数の工務店、設計事務所のHPへ繋がります。とても便利ですね。でもどの情報を選べばいいのか、何が正しいのか正直分からなくなる・・・という方、案外多いのでは?『木』とひと言で言っても、とっても奥深い世界ですから。パソコンの画面からでなくリアルな情報を、生の声で直接顔を見ながらMs事務所だからお伝えできる事がたくさんあります。


そんな思いから、開講した第1回目の講義は鳥取・智頭町にある製材所㈱サカモトの坂本トヨ子社長とMs三澤康彦とのコラボセミナー!智頭の山のお話、サカモトさんが力を入れている家具やブラインドのお話、とにかく“やま(生産者)”と“まち(エンドユーザー)”を繋げたいという社長のお気持ちが伝わってくる講義に参加者のみなさんも熱心に耳を傾けていました。たくさん持ってきて頂いた杉材のサンプル(これが本当にきれいな材でした)を手にとり、お茶を飲みながら質問・談笑、穏やかに時間が過ぎていきます。MOKゼミ神戸は定員20名の少人数制なので、雰囲気も和やか。緊張感あるMOKスクールとはまたひと味ちがいますね。

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後半は三澤康彦から“木”という材料について、そして木の価格について。直接林産地と20年以上お付き合いしていますのでこれらの話は三澤氏に勝る方はなかなかいないと思います。とても分かりやすくお伝えできたのでは。参加者の方も興味津々!木の価格ってブラックボックスみたいなところがあるので、確かに興味ありますよね。今、日本の杉材(構造材・芯持ち特一等材)の価格は同じ体積に換算すると大根やお豆腐と同じ価格(もしくはそれ以下)になります。家の骨格といえる構造材が、です。ちょっと驚きの価格ではないでしょうか?国産の無垢材で家を建てるというと高価なイメージがありますが、決してそんなことはないです。ですから、皆さんにも是非日本の山の木で“心地いい木の家”を創っていただきたいと思うのです。

そのために知識を蓄える!『MOKゼミ神戸』ではそのお手伝いをさせていただきます。
次回は三澤文子氏による木造住宅の改修のお話です。詳しくはこちら
ここ数年木造建築病理学をライフワークとし、数々の改修物件を手掛けている三澤文子氏。今、日本で丁寧に・熱心に木造住宅の改修に取り組んでいる建築家のひとりだと思います。興味のある方はどうぞ奮ってご参加ください(まだ定員の空きはございます)

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# by msarch2 | 2011-05-13 10:56
胡桃山荘現場~安曇野の春
4月に胡桃山荘(施主:三澤康彦)の現場へ行ってきました。伊那の山々はまだ梅が咲いていました。そして山々にはこぶしの花が信州の遅い春を告げます。
現場は河川のそばにあります。信州は水路がとても多くそれにちなんでの人名も澤の名のつくところが多いのです。施工が北沢建築、土地の持ち主が桑澤さん、神主さんのお名前も「澤」の字がついていたと記憶しています。おまけに、最寄り駅がJR飯田線の「沢」駅です。歩いて5分と便利がよいです。私は信州が実家ではありませんが三“澤”です。何かご縁を感じます。(私の祖先も元は大阪府下の山中渓というところの出身だそうです)

北沢建築の北澤会長、社長と私で3月に地鎮祭を行いました。
盛土、地盤改良も終了し、これから基礎工事です。工事中であることの看板も立ち、ひと安心です。
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ちょっと足をのばして安曇野まで行きました。今井兼次が1958年に建てた碌山美術館を訪ね多くの市民たちと一緒に創ってきた施設を観た。この木造は自力建設で建てたと書かれている。
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途中、わさび畑を見た。今は一面わさびの花が咲いている。私はこのわさび、山歩きする中で野わさびの生えている場所が直感として分かるのです。他の人にとってはただの山草にしか見えませんが・・・。私の特技のひとつです。写真は「大王わさび農場」です。
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駒ヶ根のある旅館に宿泊した。外の景色はまだまだ山間の町、春がようやく来るといった枯れた山の中で緑の筋を見つけた。沢があり、水脈沿いに何かが自生している。直感で『わさび!』である。さっそく喜び急いでビニール袋を持って3・4株戴きました。
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次の日の夕食は天ぷらです。私が調理長になり、その場で揚げてゆきます。ワインが進んでとても美味しく頂きました。コゴミ・タラの芽・ウドなど早春の信州の味も戴きました。

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# by msarch2 | 2011-05-06 18:57
赤杉の家【内部】
1回飛ばしになってしまいました。赤杉の家のプラン・内部仕上げについてご紹介します。住まい手家族はいつもリビング中心の生活をされています。個室は寝るだけの部屋なので最小限に、その代わりキッチン・リビングは居心地のいい大きなワンルーム空間にとの要望がありました。
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吹き抜け空間があり実面積以上の拡がりを感じます。実はダイニングの幅は2.3mしかありません。オープンキッチンで空間が繋がっているため圧迫感もなく居心地のいい食卓です。テーブルはタモの幅ハギパネルで棟梁に作って頂きました。脚は同じくタモの無垢材を八角柱に加工しています。これはコタツの脚のように取外しができるタイプです。ダイニングテーブルの向かいがキッチン。全長なんと2.8m!これはMsのキッチンでもかなり長いです。手元を隠すためにカウンターを24cm立ち上げています。幕板はタモパネル。腰壁の白い部分は収納の建具です。カトラリー、文房具、本、雑誌、郵便物などテーブル廻りのごちゃごちゃをすっきり隠します。
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今回キッチンカウンターは人工大理石を選びました。シンクも人大を使うのは初めてなのですが、継ぎ目がない仕上げでお手入れも楽ですし、コーリアンのスクエアタイプのシンクはシンプルで見た目もなかなかです。
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キッチンの横には奥様のワークデスクを配置。明るく風通しのいい家の中心に配しています。写真右手、キッチンの背面にも半間幅の空間が繋がっています。食品庫です。回遊式のプランでまたキッチンへと繋がっています。
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2階は主寝室と子供部屋があります。このふた部屋をつなぐ廊下にも共有のデスクを!
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机の長さは2間(3.6m)あるので、お父さんと子供たちが3人で使ってもゆったり。背面にはたっぷりの本棚もあります。廊下をただの通路とせず、機能を持たせることで豊かな空間ができあがります。このワークデスクは吹き抜けに面しているので台所のお母さんともコミュニケーションがとれますね。
廊下の上部にはハイサイドライトを取っています。この開口があることで2階の採光を確保し、上階へ昇ってきた空気を逃がし風通しももよくなります。大事な窓なのです。夏の日差しはよしずを吊るして遮ります。

ご主人が富田林の家を見学にこられて約1年。だいたいMsでの家作りではそれくらいの時間がかかります。打合せを重ね、他の物件も見学、現場へも毎週顔を出していただき家創りを楽しんでいらっしゃったIさんご家族。これから赤杉の家を大事に住みこなしてくださると思います。
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# by MSARCH2 | 2011-04-26 19:53 | 新築
『最高の「木造」住宅をつくる方法』が出版されました
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三澤邸の変遷を綴った『住む。季刊 No.37』に引き続き、
Ms建築設計事務所の25年間の蓄積を『最高の「木造」住宅をつくる方法』(通称:エムズ本)として3月末に出版されました。(価格:3,000円+税/発行:株式会社エクスナレッジ)
 ①[仕上げ・造作]の標準仕様
 ②[躯体・設備・外構]の標準仕様
 ③年代別プランニング術
 ④架構からの設計
 ⑤木造住宅の性能確保
上記5章からなり200頁に渡って、Msの木の家つくりの極意が詰まっています。
330軒の〝How to〟がここに集約しています!

本の内容を少しご紹介します。
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木の住まいつくりに欠かせない化粧構造材。文字通り構造材が化粧として見えてくるものを言います。構造体に対しては、木拾いから化粧構造材の段取り(木材の工程監理)、Ms日記でもお馴染みの木配りの方法等、「木」の〝いろは〟で心地よい木の住まいつくりを導きます。


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その他素材、仕上げ、性能、生活の工夫etc…フローリングの扱い方やMs定番の吊バルコニーの施工方法など余すところなくご紹介しています。


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設計者・工務店向けの技術書としてだけではなく、一般の住まい手さんにも気軽に見て頂きたいという思いから③の年代別のプランニング術を中心にカラー写真を掲載して、ここちよい木の住まいのつくり方法を共有していただける内容になっています。
是非、本書を手にとってMsの木の住まいつくりを共有していただければ幸いです。

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# by MsARCH2 | 2011-04-22 16:11 | その他
赤杉の家【外観】
今回は赤杉の家の外観についてご紹介します。南側の前面道路からの見た目です。抑え気味なボリュームが周辺環境に対しても好印象です。これでも敷地は前面道路から90cmほど上がっているのです。駐車スペース分道路からセットバックしているのと道路側に屋根勾配をとっているのも控えめなファサードにするポイントです。駐車場の両側にはシンボルツリーとしてシマトネリコ(常緑)を植えています。
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そして、一番の特徴はこの格子塀!門扉も入れて総長さ15mほどあります。30mm×50mmの杉格子材を小間返しに配しています。格子のピッチは状況によってもう少し詰めたりもしますが、外の気配を感じつつほどよく閉じていて、開放的な赤杉の家にはちょうどのバランスです。
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たて格子の上下はスチール(亜鉛メッキ仕上げ)のLアングルでつなぎ、1間ピッチにスチールの支柱を立てています。全て木で作ることは簡単にできます(それに、コストも抑えられます)が、雨ざらしになる部位の木部はやはり朽ちていきますので将来のメンテナンス(交換)を念頭に適材適所を心がけます。


“赤杉の家”ですから、やはり赤杉の門扉!吉野材でとてもきれいな本実板です。引き手の部分だけチークを使いアクセントにしています。門扉の横には門灯、表札兼インターホン、ポストの3点セットをたて格子の意匠に絡めてさりげなく。
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開けたらこんな感じです。右手は玄関への階段。左手は駐輪スペースです。
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たて格子のスクリーン内部と建物の間はデッキスペースと庭になります。奥行き1.8mの杉のデッキはリビングの延長として使える子供たちのお気に入りのスペースです。庭には立派なヒメシャラ(落葉)を中心にヤマモミジ(落葉)とシラカシ(常緑)ヤマボウシ(落葉)を植えています。2~3年経ったころには緑いっぱいの外観になるのも今から楽しみです。
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次回は内部のご紹介をします。どうぞお楽しみに。

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# by MSARCH2 | 2011-04-12 21:28
赤杉の家塗装工事&見学会
4月に入り、新年度がスタートしました。桜も咲き、本格的な春を迎えたころ、鳥取県智頭の構造材を使った「赤杉の家」が竣工しました。真壁構造で智頭の美しい赤味の杉を存分に味わえる住まい。住まい手が当初から望んでいた家族が自然と集いリラックスできる家ができあがったと思います。
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今回から数回に分けて赤杉の家をご紹介したいと思います。まずは、竣工前の様子から。3月の末、建物本体がほぼ完了した頃、朝からMsスタッフ4名が現場へ向かいました。
目的は・・・現場の塗装!
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Msでは、コストを抑える意味と、スタッフの勉強のため床や建具の塗装工事をさせていただいています。現場で手を動かすことで学ぶことは実に多いです。
赤杉の家の塗装工事は1、2階の床(計90㎡)と建具大小28枚、カウンター、家具、デッキなどなど盛りだくさん!これらを2日に分けて塗っていきます。
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いつもの塗装セット。だいたいコテバケと刷毛を使ってどこも塗っていきます。床はOSMOのフロアクリアラピッドを塗りました。キッチンカウンターなど水廻りもOSMOを塗ります。赤杉の家の1階床は杉の本実板(30mm厚)。赤味勝ちでそのままでもとてもきれいな板です。より自然な仕上がりにするため蜜蝋ワックスを塗るか、ギリギリまで住まい手は悩まれていましたが結局は耐久性を考えOSMOを選択されました。
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建具は柿渋ペイントの白を塗るのがMsの定番です。柿渋ペイントは柿渋をベースに天然顔料や植物油を混合した自然塗料です。薄めに塗ってシナベニヤの木目がうっすら見える程度に仕上げます。

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作業中、住まい手さんが現場へこられたので息子さん(6歳)が塗装体験!いつもクールなお兄ちゃんですが、この日の夜はお父さんに「僕が塗ったんやで~」と自慢していたそうです。小さなお子さんにとって家作りに加わったという思い出はとても貴重なものなのかもしれませんね。

塗装を終えた週末は完成見学会を行いました。
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良く晴れた暖かな日で風通しの良い明るい赤杉の家は本当に居心地が良く皆さん通常よりのんびり見学されていたような?空気環境や木材の段取りについて質問を受けたり、『遠くから見た外観がいいですね』とか『リビングの木製建具がいいですね』などの感想を頂きました。駅から遠い現場にも関わらず、参加いただいた皆様ありがとうございました。
さて、次回は赤杉の家をさらに詳しくご紹介したいと思います。お楽しみに。

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# by MSARCH2 | 2011-04-06 20:31 | 新築
住む。季刊 春 No.37

この度、東北を中心とした大震災で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
まだまだ余震が続き物資の供給も行き渡らない状況の中、何ができるか考える日々を過ごしています。
被災地にはMsとも関わりのある材木屋さんがあり、会社は津波で壊滅状態。
震災に負けずに再興してほしい。


15年前の阪神大震災から多くを学び、木の家の設計を続けてきたMs
津波で流される木造家屋を見るに
木の家が試されていると感じます。
地震にも耐えうる骨組みのしっかりした木の家を造るため
Jパネル、Dボルトなど構造用部材の実験・開発はますます大きな意味を持つことでしょう。




さて、『住む。季刊 春 No.37』にMsが9ページにわたって掲載されています。


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25年前大阪千里ニュータウンに居住し、子育てもあることで
大阪市内での仕事場をあえて選ばずに
住宅地の中での住宅設計をはじめました。


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その間に改装を何度か繰り返し
Msと三澤一家の職住近接の住まいと仕事場を
いかに心地よく創るかを思考してきました。
町内の問題、近隣に建つマンション群と町内会との闘争など
生活者として24時間住む・仕事するを実践してきました。
私達の暮らしの25年を見ていただけることと思います。


そしてそして、以前Ms日記の中で少しだけ触れた通称『Ms(エムズ)本』の初版が手元に届きました。
一般の方でも興味深く読める内容で、全200ページ。
「素材」「仕上」「性能」「生活の工夫」
住宅設計のノウハウを余すことなく詰め込んだ1冊です。
販売は間もなくで、価格は3000円です。
皆さん、首を長くしてお待ちください。


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# by MsARCH2 | 2011-03-31 17:43 | その他
豊中市S邸 土台敷き・建て方
b0111223_20383271.jpg緑地公園の近くにある豊中市のS邸が、
先週土曜日(26日)に土台敷き、今週建て方を行いました。
施工はお馴染みの羽根建築工房さん。
予定では建て方の前日に、土台敷きを行う予定でしたが
天気予報から判断し、先週末に行うことになったのです。

予定はあくまで予定です。
何事にもその都度その都度、的確な判断と行動が大切なのです。

b0111223_2039782.jpg土台敷きが済んだ後はしっかり養生をします。
基礎全体にブルーシートを被せて周囲を養生し、雨対策は万全です。

b0111223_20393939.jpg実はこのブルーシートの中には、、、

雨を外部に押し出す工夫があります。
棟梁の提案でアーチ状の〝屋根〟が組まれているのです!
ただシートをかけただけではシート中央部に雨がたまって土台がぬれたりするのです。

一時の雨対策の中にも棟梁の「こだわり」が詰まっているのです。


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棟梁作の〝屋根〟により身を守られた土台は、建て方一日目には燦々と日差しを受けています。
土台の上にはJパネル、構造材が並んでいます。何気なく積まれていますが、この並びは計算されているのです。
というのも、建て方をスムーズに行うには段取りが重要です。
どの柱から立てていくのか、どの壁から施工して行くのかを考えその順番に沿って柱・梁・Jパネルを積んでおきます。
大工さんは、シナリオを書き演出まで行う一流の俳優さんなのです。


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段取り通り、順調に壁が落とし込まれていきます。
壁、胴差しが順に組まれていき、赤味の柱(三重県の松阪木材さん)に惚れ惚れしつつ、柱脚金物やDボルトでフレームを固めていきます。

b0111223_2053372.jpg紹介が遅れましたが、
今回の豊中の家S邸の棟梁、藤本棟梁です。
棟梁の鉋がけをする棟梁の目は何とも緊張感が伝わります。

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2日から建て方を始めて、3日のお昼には棟が上り垂木も納まりました。
今回の構造材は全て三重県の杉(土台のみヒノキ)です。
下から順番に土台は尾鷲ヒノキ、赤味が素晴らしい柱は熊野、梁は波瀬から、リズムよく並ぶ垂木は美杉。
名前の通り美しい杉です!三澤も大満足で思わずカメラを持つ手に力が入ります。
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この写真をばっちり押えています。栗の大黒柱(八角)と杉のコントラストが非常に印象的です。
3月3日桃の節句、大安です!建て方にもっていこいの日和に栗の大黒柱が堂々としています。
Msではよく大黒柱を八角にします。住まいの中にメリハリを生み出すのです。
これから繰り広げられる住まいを、頭に思い描きながら事務所に戻りました。

これから5月末まで現場では
棟梁はじめ大工さんの「こだわり」や欠かせない「段取り」をしっかり見させていただきたいと思います!

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# by MsARCH2 | 2011-03-03 20:39 | 新築
「鳥取のみどりのちから」モデルハウスプロジェクト ~木配り編~
突然の大雪で延期になった木配りに、行ってきました。
場所はいつもの三重県松阪市にあるコウヨウプレカットです。この工場に来るもの何回目でしょうか。50回は来ています。
林産地では荒木の状態で木材を見ているので。毎回思っていたような材料が入っているか、お見合いのようにドキドキしながら向かいます。
今回の木配りは3/16~3/27に東京新宿オゾンで行う。鳥取県産材をアピールする「鳥取みどりのちから」詳しくはこちらで展示する実物大2階建てのモデルハウスの材料です。オフィスビルの中に家を建てます。
鳥取のアピールということで林産地は吉野林業の流れをくむ智頭林業のサカモトの杉です。最近では昨年竣工した豊中の家で使っています。

まずはプレカットの打合せです。
今回6m×6mの2階建てをたった1日で建てなくてはいけません。(外壁、床、屋根の一部もしっかりと造ります)しかも現場がビルの中なので現場で出来る作業も限られています。クレーン車など使えないので全て手作業となります。まさに現代の一夜城です。


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プレカット自体の加工は単純ですが、壁や屋根、床に入れるJパネルのカットや外壁の本実板パネル、内部の階段など、コウヨウの大工さんに造って頂く部分が多く、ミスが無いように打合せします。
朝10:00からの打合せはあっという間に昼を過ぎています。
昼からは木材を運ぶなど体力を使うゆえ、昼ごはんはコウヨウでの木配りで恒例となっている焼き肉です。一升瓶で松坂牛です!!何度も来ている私はもう牛一頭分は食べています。



クリのナグリ仕上げの柱です。大阪の銘木加工、橘商店にて「ナグリ」加工して頂きました。迫力がちがいます。東京オゾンで是非触って頂きたいです。
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樹齢100年は軽く超えている杉大黒柱です。270角の立派な柱です。隣の四寸角と比較すると大きさが分かると思います。この柱は八角に加工してモデルハウスの中心にたてられます。天然木です。


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455ピッチで掛る75×180垂木です。源平のとても綺麗な材料です。造作材で使えるぐらい年輪が詰まっていて節の無い綺麗な材料が入っていました。




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作業の合間にコウヨウの見学をしました。ドイツ製の最新鋭プレカットが動く横で大工さんが手加工をしています。太鼓梁の加工です。コウヨウ大工さんはとても腕が良いです。





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もちろん最新鋭プレカットも負けていません。
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今回もサカモトの材料は良い材料が入っていました。鳥取をアピールするのに十分な材料です。この続きがどうなるか気になる方は3/16~3/27東京オゾンでの展示に是非来てください。
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# by MsARCH2 | 2011-02-18 16:39
豊中の家、着工しました
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昨年末、豊中市のS邸の地鎮祭が行われました。

緑地公園からすぐ近くの住宅地にあるS邸の敷地は、
角地と水路に面していることで3方向が開けていているのが特徴です。
将来的なライフスタイルの変化に対応しやすく計画した、木造2階建ての住宅です。
もちろんMsの長期優良住宅先導事業に基づいています。

住まい手さんのご姉妹が同じ豊中市に住まわれていて、
Sさん一家、工務店、Ms含めた7名で地鎮祭が行われました。
冷たい空気の中、原田神社の神主さんによる祝詞が響き渡り、身が引き締まります。
地の神様を鎮めて、竣工までの工事の無事を祈りました。


年明けには、構造材の検品に三重県松阪市にある松阪木材に監督・棟梁と行きました。
今回の施工は、Msでお馴染みの羽根建築工房さんです。
松阪木材さんには年末に上棟後と竣工後のMsの別の物件に足を運んでいただき、
Msの構造材のグレードを実際に見ていただきました。
大壁として構造材が見えなくなる納まりではなく、真壁で竣工後も永く化粧構造材として
住まい手を包む構造材です。Msのグレードに松阪木材の竹内さんも驚かれていました。
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ウッドピア松阪という大きな木材団地の中にはいくつもの木材会社があります。
その中にある松阪木材さんで検品作業の開始です。
土台・大引はヒノキ、その他の構造材(柱、梁、垂木)はもちろん杉の赤味です!
含水率は材によりばらつきがありましたが、よく乾いています。
9寸の梁も持ち上げられて、乾燥の良さが体で認識できます。
そして、この小口!しっかりと目の詰まった材です。
今回は仕上がり寸法+5㎜の荒木の状態での検品でしたが、
赤味勝ちのきれいな構造材。455㎜間隔で並ぶ垂木をはじめ、今から上棟が楽しみです。
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藤本棟梁作の1/20の軸組模型、棟梁の冬休みの宿題だったようです。
模型は赤味勝ちではありませんが。。。刻みや建て方をスムーズに行うためには欠かせない模型です。


さて、先日は地盤改良工事が行われました。
Msでは設計依頼のあった早い段階で地盤調査を行い、敷地の状況を知ることおろそかにしません。
いくら上モノが構造的に強くても、その足元が軟弱であれば全く意味がないのです。
このS邸も地盤調査が行われ「地盤改良が望ましい」という結果だったため、
地盤改良が行われることになりました。
b0111223_10545016.jpgb0111223_1055553.jpg今回の改良工事は砕石パイル工法という方法を採用しています。
この工法は、まず基礎形状や地盤調査の結果から設計された箇所にドリルで
設計深さ(今回は3Mと3.75M)まで掘削を行い、そこに砕石を投入するという流れです。
この工法の利点は、施工中全くと言っていいほど埃がたちません。
というのも、通常用いられるセメントによる地盤改良工事では、
撹拌する際に少なからず埃がたちますが、ここで用いるのは砕石のみなので埃知らずです。
砕石は20~40㎜程度の自然石砕石を使用していて、環境にも近隣の方々にも優しい工法なのです。



b0111223_19494196.jpg今週頭には「木配り」をしに羽根建築工房の加工場へ行ってきました。
「木配り」はMs日記の中でどの物件にも出てくるお馴染みの言葉ですが、
どの材をどこに使うかを決めていく作業です。「番付け」とも言います。
先週、松阪木材さんで構造材の検品を行った時には荒木の状態でしたので、
この日が構造材の仕上り面との初対面となります。
もちろん、これまで300軒を超える住宅の木を見続けていると、荒木の状態でも良材かどうかの判断はつきますが、
やはりモルダー掛けのされた仕上り面を見るのはいいものです!
荒木の状態から期待通りの材です!すばらしい!
野物といって、化粧で見えてこない材が一部あるのですが、どれもいい材で野物とするのはもったいない!優劣付けがたく、贅沢な悩みです。

b0111223_19502374.jpg木配りの後は加工場で手刻みの打合せを行いました。
棟梁の手で一つ一つ加工がされていくのです。
これから上棟までの約1カ月じっくりと手刻みの時間です。

b0111223_19505351.jpg木配りの前にMsがストックする木材を見に倉庫へ行きました。
というのも、今回の豊中の住まいの大黒柱を選ぶためです。栗の大黒柱です。
栗は広葉樹で重いので、よく乾いた杉のように〝コロコロと〟、とはいきませんが、
〝ゴロゴロと〟転がして色目や節を確認します。
手前の2本が豊中の住まいの中心に構える大黒柱に決まりました。
その他の構造材同様、棟梁の手で加工され化粧構造材として生まれ変わるのも、もうすぐです!


2月末から3月頭予定の上棟が待ち遠しい毎日です。

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# by MsARCH2 | 2011-01-27 14:15 | 新築
2011年のスタート
新年おめでとうございます。
今年のMsはイベントが目白押しです。今回はそれらを少しご紹介します。

b0111223_1735749.jpg去年末は『木の家リフォームを勉強する本』が(社)農文協から出版されました。
三澤文子が企画コーディネートしています。
180ページほどある内容。
住まい手、設計者、工務店、全ての方が興味深く読める内容で、
住まいを新築と同様にリフレッシュできる“How to”が全て書かれています。
TVに出てくるbefore・afterというものではなく、
骨組、基礎から鍛えなおすという技術、生活の快適性についてetc・・・
これらが技術書という形で書かれています。




そして今年は春にもう一冊、
『Ms(エムズ)本』
が出版されます。
これはまだ水面下のシークレットにしたいお話ですが・・・。
もう2011年1月です。順調にゆけば3月に出版されます。
25年間、全国で330軒以上「木の家」を創ってきたMsの
「素材」「仕上」「性能」「生活の工夫」全てが分かりやすく一冊の本にまとめられています。


ちょうど出版の頃、東京・新宿オゾンにて『鳥取のみどりのちから』と題した展示会が開催されます。
Msがこの展示会のプロデュースをしています。
開催時期は3月16(水)~27日(日)、Jパネルを使ったデザインコンペも開催されます(賞金はなんと50万円!!)

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詳しい内容はこちらからご覧ください。


そして、そして・・・。
MOKスクールは16期目に入り、設計者、工務店など「木の家」を創る専門職向けにプロの講座を続けていますが、
これに加え今年は「MOKゼミ神戸」という住まい手対象のセミナーを開催します。
以下、案内パンフレットより抜粋。

●MOKゼミ神戸開催にあたり
4月から神戸トアーロード・リビングスギャラリーにて、住まい手対象のセミナーを開催いたします。
現代はインターネットの普及により、聞きたいこと知りたいことが瞬時にパソコンで検索できるようになりました。
知識を重ねてゆくということでは便利な道具ですが、
「住む」ということは人生の生き方と同等語のようなものです。
自分の人生までパソコンは親切に教えてくれませんし、また教わるものではありません。
生活を創っているものは色々とありますが、私達は「住む」器としての「木の家」をセミナーで語ります。
日本の山の樹から創る杉、桧のこと、自然災害(台風、地震)に強く安全に住まいを創る術、室内空間を楽しく心地よく創る工夫、
住まいの器としての家と、道、街路との接点の庭を創る術など「暮らし」をここち良く創る工夫を分かりやすくお話します。
Ms建築設計事務所は25年間で全国で330軒、それぞれの地域の環境、地域の木材、大工職と住まいを創ってきたこと、
そしてここ関西での「木の家づくり」を語ります。

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※講座内容、講師の変更は正式に決定したものではありません

あくまでも一般の方、木の事、建築の事をまったく知らない方に向けた勉強会です。
まだ正式に募集はしておりませんが興味のある方は是非Ms事務所までお問合せください。

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# by msarch2 | 2011-01-07 18:46
芦屋の家竣工
4月に着工した芦屋の家がようやく竣工しました!西側道路に面した住宅です。夏の遮熱対策とお向かいのマンションのベランダからの視線を考え開口部は丸マドひとつのすっきりとしたファサードです。外壁モルタルリシンの白が青空に映えとても清潔感があります。玄関扉はチーク、庇はJパネルに板金を覆っただけの庇。ほぼJパネルの厚み(36mm)分ですっきりしつつ木質感が優しげな印象です。立派な樹木は左がエゴで右がヤマボウシ。春になれば彩りが加わり生命感溢れる外観となるでしょう。

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1階外壁部分には白太の杉本実板を張っています。今回はよりすっきりとしたした外観に仕上がるよう特別に幅を50mmに加工してもらいました。塗装はOSMOの「ウッドステインプロテクタークリアプラス」。せっかくきれいな白杉にわざわざ色をつける事はありませんから。暫くは木地の色味を味わって頂きたいです。写真では分かりにくいですが、軒裏も外壁に合わせ白太の杉本実板を張っています。赤杉ほど油分が無いのでクリア塗装をかけています。赤杉も力強く魅力的ですが、白太の杉も統一して使うと上品でとてもきれいです。
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道路面の植栽がこの住宅の重要なポイントです。住まい手の奥様がお庭をとても大事に考えてらしたので、MOKスクールでの講義も大好評だった「花康」さんに造園をお願いしました。地盤は道路面より1m少し上がっています。小豆島の自然石を使って土留めをし、適度な目隠しを考え植木を配置しています。土留めの自然石の間にはキチジョウソウ、カンスゲ、シダ類など草物を植え、季節ごとに花や実を付ける低木を植えています。


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奥まったスペースは日あたりもそんなによくはないので、しっとりと落ち着いた庭です。築山にヤマモミジ、シダ、コケ。2階バルコニーからの眺めもきれいです。


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芦屋の家の最大の特徴はピアノ室(防音室)があることです。奥様がピアノ教室をされていて、きちんと防音された部屋が初めからの要望でした。限られた面積を有効に使うべく、玄関スペースを兼ねた土足で使用するピアノ室ができあがりました。床はナラのフローリング(120mm幅)、見学に来られた方にも、大工さんにも評判の良かったとてもきれいなフローリングです。おなじみのコボットさんで入れていただきました。
当初は某メーカーの既製防音室を入れるというお話しをされていた住まい手。しかしその箱はあまりにも陳腐。値段は8畳の広さでも350万近くします(定価で)。「建築工事で防音性も確保した心地いい木のピアノ室を作れるはず!!」三澤の設計者魂に火がついたというわけです。


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防音のために壁Jパネルの部屋内側にも断熱材(PFB)を入れプラスターボードを2枚張り、音をきれいに拡散させるため杉の格子リブ材を張っています。格子は9mm×30mm、9mm×50mmの白太の杉を吉野の阪口さんに用意して頂きました。12畳の部屋で560丁の格子材を使いました。大工さんの根気よい作業がなければできない仕上がりです。

b0111223_18233390.jpgb0111223_176205.jpgこんな納まりまで!!スイッチとコンセントプレートを埋め込んでもらいました。「本当に大変だった!」と棟梁に言われましたが、ちょっと満足げな顔をしていたように・・・思うのは気のせいだったのでしょうか??

b0111223_17101262.jpg防音といえば開口部。
外部はアルミサッシペアガラスの2重付け。
その内側にも下地をランバーコアにし質量を上げた建具(和紙張り)を入れています。

b0111223_17144849.jpgb0111223_1715386.jpg玄関扉は2重の開き戸です。内側の扉はフラッシュの芯を細かめに入れ、断熱材を入れ、PBとシナベニヤを両面に張っています(仕上げは柿渋ペイントの白)スライドボルトで施錠します。外部側のチークの扉も断熱材を充填しています。

b0111223_1720238.jpgb0111223_17201831.jpg室内側の建具は壁の格子と一体化させた引戸です。幅が1間分ある引戸。これも断熱材を充填しているので・・・重い!!ノイズレスレールを上がり框に埋め込んでいます。

b0111223_17223177.jpg天井の防音も必要です。天井懐に断熱材を入れ、プラスターボードを2枚張りました。その上、床構面(Jパネル)の上にもプラスターボードを1枚追加しました。仕上げは和紙張りですっきりと明るい天井です。







2階はLDK、和室、水廻りと家族が生活する中心の場です。床に大理石を敷き、壁も白い珪藻土で明るく感じます。大理石の床は、床下に床暖房が入っているので冬暖か、夏はひんやり冷たくMsの住まい手にもいつも好評です。

b0111223_17285237.jpgb0111223_17322014.jpg外国からのお客様も多い住まい手は客間として和室を希望されていました。
鴨居の上部が空間として繋がっており、障子を開ければリビングと一体に使えます。


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ダイニングには外壁、ピアノ室とは打って変わって赤杉の建具が圧巻の作りつけ収納があります。この杉板は智頭のサカモトさんから。本当にきれいです!時間がたっていい艶がでてくるのが今から待ち遠しいです。
芦屋の家はリビングとダイニングキッチンの間に階段の吹き抜けがあります。大黒柱や縦格子の手摺壁などがあり、目線を留めながら穏やかに繋がっていく感じが空間に面白みを与えています。

杉(赤・白)・タモ・栗・キハダ・チーク・ナラ・くるみ・アサダ・・・たくさんの木材と大工職、設計者の技術が結集した住まい。これからの住まい手家族の暮らしを大らかに受け止めてくれることでしょう。
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# by MSARCH2 | 2010-12-07 15:51 | 新築
赤杉の家上棟しました!
先月プレカットの打合せを行った和泉の家、改め「赤杉の家(智頭杉の赤味がとてもきれいなので)が上棟しました。施工はコアー建築工房さん。いつもお願いしているので、工事も手馴れたものです。

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赤杉の家は構造的に少々工夫をしています。プランは北から南に片流れの屋根を葺き、南向きのLDは大きな吹抜け空間となっています。1階LDKを広くオープンに使いたいという住まい手の要望で、2階床面の下に耐力壁がありません。その代わり、4寸×8寸(12cm×24cm)の偏平柱、尺一寸(33cm)の成の梁を使い、それらをDボルト2本使いで緊結し、フレームを組んでいます。足元もホールダウン金物(HDC-25・30/カナイ)の2個使いでがっちり固めています。

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梁と柱の納まりを2階床面から見るとこんな感じです。

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Dボルトの座金がふたつ入っていますね。また、2階床梁の天端両側がそれぞれしゃくってあります。これは何のためか?

1階の柱、梁が組みあがると2階の床板(Jパネル)を設置していきます。大工さんがJパネルを一枚ずつ運んでいき・・・(梁の上を軽々と運んでいますがJパネル1枚30kg弱あるのです。職人さんは本当にすごいです)

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そして先ほどの梁しゃくりに床板のJパネルを落とし込んでいきます。

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①ん?Jパネルが入らないな                ②その場でカット!                      ③すっぽり納まりました


手間はかかりますがこうやって床板を落とし込み梁で固めることにより、水平構面がより強くなります。


建て方2日目は、屋根の垂木を掛けていきます。4寸角の赤味の杉が@606でリズムよく並びます。室内から美しい天井が望めます。それにしても美しい材です。青空によく映えます!

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午後からは屋根野地のJパネル張り。

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Jパネルのいいところはやはり構造面材でありながら、仕上げ材になるというところです。Jパネルの床倍率は3.0倍(四周釘打ちの場合)。長期優良住宅の仕様にもぴったりな建材です。「赤杉の家」も長期優良先導事業に該当する物件です。


無事棟が上がり、日を改め住まい手さんに上棟式を開いて頂きました。

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コアー建築工房さんの上棟式ではいつも「槌打ちの儀」が行われます。

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コアー建築工房 千原氏の良く通る声で「千歳棟~!万歳棟~!(せんざいとう・まんざいとう)」の掛け声。全員で「永永棟~!(えいえいとう)」。そして大工さんが木槌を振り棟木を締め固めます。「トーン!トン!」という木槌の音が遠くまで響き渡り気持ちがすっと晴れ渡る儀式。「千歳棟。万歳棟。永永棟」呼んで字のごとく、いつまでもこの家が何事もなく、家族が幸せでいられますようにという願いが込められています。


上棟式も終わりかけた頃、住まい手のお子さんから棟梁へお手紙が!!

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「だいくさんへ ぼくのおうちをおねがいします」 と書いてあります。このサプライズに普段は強面(とても優しい方です)の棟梁の目じりも下がりきっていました。小さな子供も自分たち家族が暮らす家ができることを心待ちにしているのですね。春にはおちびさんたちが走り回る大らかな木の住まいが無事できあがるよう、設計者、施工者とも気を引き締めて工事にかかりたいと思います。

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# by MSARCH2 | 2010-11-29 21:12 | 新築